東京電力福島第1原発事故による除染や汚染廃棄物の処理の枠組みを定める放射性物質汚染対処特別措置法が1日に全面施行されたのを受け、環境省は4日、除染推進の拠点として福島市内のビルに「福島環境再生事務所」を開いた。
国による除染は、警戒区域などでインフラ設備を対象に今月末から先行実施し、3月末から本格化する予定。同事務所は約70人態勢で、除染先の市町村との連絡調整や、自治体による除染計画策定の支援などを担う。
この日、事務所所長代行の森谷賢福島除染推進チーム長が、職員らを前に「国の動きは遅いと県民は思っている。長い年月がかかる除染だが、全力を尽くしてほしい」と訓示した。
放射線管理の業務の経験があり、新たに職員となった半谷隆一さんは「福島の人が安全、安心に暮らしていけるように努力していきたい」と意気込みを語った。
事務所は4月に職員が増員され、約210人の規模となる見通し。
昨年3月11日に発生した東日本大震災による東京電力福島第一原発事故を受け、原発・放射線漏れの問題に「除染」の観点から主体的に事業展開している株式会社セブンシーズは、除染業者の比較・見積取得・紹介など、無料で相談を受け付ける、国内初の除染情報ポータルサイト「除染総研」で、「除染に関するQ&A」コンテンツを昨年12月から公開した。
日本初の除染情報ポータルサイトである「除染総研」では、福島県、宮城県、茨城県などの被災地のほか、関東地域から愛知県、石川県、岐阜県、大阪府の除染事業者に関する情報を掲載し、見積りなどに対応。ガイガーカウンター「TRACERCO T404」のレンタルも行なっている。
このほか、食品による内部被爆への対策として、「放射線と食の安全」コンテンツを公開し、“放射線と食についての問題”、“食品からの放射性物質の影響について”、“食材宅配を利用しての「食の放射能安全対策」”を提供している。
今回、新たに開設された「除染に関するQ&A」コンテンツでは、一般の人々が除染について抱いている悩みや素朴な疑問に、除染現場の専門家が答えるというものだ。
放射能汚染に対して不安を抱いている人が少なくないなか、気軽に質問できる場がなかったのが現状だが、除染総研では、除染業者に関する情報を収集し、現場で経験を積んでいる除染の専門家とのパートナーシップを構築。
こうしたノウハウを活かし、除染に関する質問や悩みをサイト上で共有し、除染現場の専門家からの回答を得ることによって、多くの人々が抱いている共通の疑問が効率よく解消されることが期待できる。
寄せられた質問と、それに対する専門家の回答が掲載される際は、個人情報は伏せられるので、安心して質問することができる。質問は、サイト内のフォームに入力することで簡単に送信できる。
「除染に関するQ&A」
http://www.josen-ri.com/qa.html
「放射線と食の安全」
http://www.josen-ri.com/food.html
「除染総研」
http://www.josen-ri.com/
(2012/1/4 日本経済新聞「環境省、福島に除染の拠点開設」より) :
(防災グッズマガジン「除染情報ポータルサイト「除染総研」が、除染についての素朴な疑問を募集中」より)