3日の取引で米半導体大手のマイクロン・テクノロジーの株価が急伸し、一時前営業日終値比11%近く上昇した。同社の競合相手の1つであるエルピーダメモリが東芝と合併する可能性があるとの報道を受け、激化している半導体業界の競争が和らぐとの期待から買われた。
マイクロン株は一時6.96ドルまで上昇した後、7.4%高の6.755ドルで取引を終えた。
上昇のきっかけとなったのは、日本政府がエルピーダメモリと東芝の合併を仲介しているとのデジタイムズによるこの日の報道。
ノムラのアナリスト、シドニー・ホー
エルピーダに関する報道は業界再編の決定的な兆しで、これは半導体業界での価格設定の大幅な改善につながる。
DRAMエクスチェンジによると、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)は2011年は契約価格が58%、スポット価格が70%下落している。
エルピーダメモリは債務返済に苦しんでおり、最近では、台湾の半導体メーカー、南亜科技と資本提携を協議しているとの報道も出ていた。
(Reuters「米マイクロン株急伸、エルピーダと東芝が合併の可能性との報道で」より)
DRAM【Dynamic Random Access Memory】RAMコンデンサトランジスタ情報リフレッシュコンピュータSRAMメインメモリ
読み :ディーラム
半導体記憶素子の一つ。読み書きが自由に行えるRAMの一種で、コンデンサとトランジスタにより電荷を蓄える回路を記憶素子に用いる。
情報の記憶が電荷によって行われ、電荷は時間と共に減少することから、一定時間毎に記憶保持のための再書き込み(リフレッシュ)を行う必要がある。コンピュータの電源を落とすと記憶内容は消去される。
SRAMに比較して回路が単純で、集積度も簡単に上げることができ、価格も安いため、コンピュータのメインメモリはほとんどがDRAMである。