オバマ米大統領は9日、再選後初めてホワイトハウスで演説し、来年からの減税停止と歳出削減が景気に悪影響を与える「財政の崖」問題をめぐり、富裕層向けの減税措置を打ち切る方針を改めて表明した。
大統領は財政の崖を回避できない場合、「米経済に打撃を与えるだろう」と強い懸念を表明。「妥協や新たな提案を受け入れる用意はある」として、16日に再開される米議会の指導部を招き、協議を行う意向を明らかにした。
ただ、「バランスを欠いた提案はいかなるものでも受け入れられない」として富裕層への負担増は不可欠であるとの考えを強調。中間層の重視とともに財政不安の解消に努めるとし、富裕層向け減税の延長を求める共和党を牽制(けんせい)した。
カーニー大統領報道官も同日、ブリーフィングで「大統領はこれまでに表明しているように、ブッシュ減税を上位2%の高所得者向けに延長する法案には拒否権を発動する」と述べた。