去年、政府に対し災害の情報の不公表を非難する声が上がった。それに対し政府は「パニック (Panic)を起こす心配があった」とした。田中真紀子文部科学相の”不認可見解”に対するマスコミなどの狂騒を見てると、当時の心配もあながち的外れではなかったようだ。
大学には不認可を文書で通知していないので行政上の不認可処分はまだ出ていない。しかし、見解がでただけで、やれ「裁量権の逸脱だ」「裁判も考慮に」などと個人において突発的な不安や恐怖(ストレス)による混乱した心理状態に陥ってしまったようだ。
田中真紀子文部科学相が、いったん不認可と判断した秋田公立美術大(秋田市)などの3大学を事実上救済する方針を表明したことについて、文科省の前川喜平官房長は6日、新しい基準での再審査に適合すれば3大学が来春開学しても行政手続き上問題ない、との考えを示した。
田中文科相の方針転換を事務方も後押しした形で、新たな検討会議で議論した後、年内にも3大学の開学を認める流れが強まった。
前川喜平文科省官房長
大学には不認可を文書で通知していないので(行政上の)不認可処分はまだ出ていない。事務方の伝え方に問題があった。新しい基準での再審査に適合すれば3大学が来春開学しても行政手続き上問題ない。
文科省関係者によると、新たな検討会議では1カ月程度で大学設置の審査基準を策定する。
文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」(設置審)の見直しを検討会議で早急に行い、大臣が改めて3大学の設置認可を判断することで、来春開校の可能性を残す考えだ。高まる批判を受け、3大学の開校に道を開いて混乱の収拾をはかる。
今回の件は、田中文科相の端折り(ある部分を省いて短く縮める。省略する)に問題があったと思う。
救済方針の発表を受けて、札幌保健医療大の開校を目指す学校法人「吉田学園」(札幌市)の吉田祐樹副理事長は、「田中文科相の言う『新しい仕組み』の意味がよく分からない。新たな基準を作るなら、次回から行うのが筋じゃないだろうか。そもそも我々にどのような問題があったのかという説明がなく、受験生に説明できない状態が続いている。3年間かけて準備してきたのに、来春の開校に間に合う見直しがすぐできるのだろうか」と困惑した様子で話していた。
端折った結果「次回から行うことを、今回から行った」となったんだろうと思う。なぜ端折ったのだろう。平野前文科相の決定が気に入らなかったのだろうか。