米大リーグ選手会による今季表彰選手が5日発表され、ア・リーグ最優秀新人にはエンゼルスのマイク・トラウト外野手(21)が選ばれ、候補3人の中に入っていたレンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は選出されなかった。
日本ハムから移籍して1年目のダルビッシュは今季、29試合に先発して16勝9敗、防御率3.90の成績。221奪三振はアで5位だった。トラウトはア2位の打率3割2分6厘をマークし、30本塁打、83打点。両リーグ最多の49盗塁を記録し、史上最年少で「30本塁打、30盗塁」を達成した。
一般的に新人王として認識されている全米野球記者協会による最優秀新人は、12日に発表される。
レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が、来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加しないことが5日、濃厚となった。日本代表の山本浩二監督(66)からエースとして期待されていたが、参加容認の方向だったレ軍側が一転、招集に難色を示し始めた模様。近日中にも発表される見通しで、3連覇を目指す「侍ジャパン」にとって大きな痛手となりそうだ。
侍ジャパンの命運を握る問題が、大きく展開した。ここまでダルビッシュは、WBC出場の可否について一貫して沈黙を守ってきたが、レ軍関係者は「参加しない方向で球団と話し合いをしているようだ」と証言。関係者の話を総合すると、近日中にも球団サイドからダルに関する発表がなされる見通しだという。
レ軍も一度はダルの侍ジャパン入りに、容認の姿勢を見せていた。10月9日に行われたシーズン総括会見で、ジョン・ダニエルズGMは「球団としては大会をサポートしたい」と断言。派遣を認める方針を明らかにしていた。
メジャー1年目となった今季、シーズンを通してほぼ先発ローテを守り続けるなど、ポストシーズンを含めて自身最多の30試合に先発。確実に疲労は蓄積していた。シーズン終盤は、疲れている時に出やすいと言われる首の寝違えを起こしたり、右膝にサポーターを着用したりするなど満身創痍(そうい)の状態だったが、体にムチを打ってマウンドに上がり続けた。
チームはア・リーグ西地区3連覇に王手をかけながら、最後の勝負どころでアスレチックスにまさかの3連敗。地区制覇を逃し、ポストシーズンでも初戦の一発勝負で敗退した。悲願の世界一への巻き返しを期す来季、エースとしてダルの双肩にかかる期待は今年以上に大きい。
万全を期すために、球団側では10月12日の帰国後も、代理人を通じてWBCに参加せず来シーズンに集中するように説得を重ねてきたという。大幅な戦力補強でもない限り、ダルはレ軍側の“待った”を受け入れざるを得ない形だ。
侍ジャパンの山本浩二監督は「日本のエースですから。それだけ期待する選手」と投手陣の柱として期待。正式にレ軍側に代表招集を申し入れており、再三のラブコールを送り続けてきた。まさかの「エース不参加」でチームの軸を欠くことは必至。3連覇へ逆風の中の船出となった。
大リーグのレンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は6日、来年3月に開かれるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加しないことを、球団を通じて発表した。
英語でつづられたコメントでは「コーチやトレーナーと相談し、よく考えた結果。最近の数シーズンは負担が増え、米国に来てからも変化があった。来季に備えて、十分に休みを取ることが大事だと判断した」と不参加の理由を説明。「最終目標はレンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献し、日本の野球ファンと共有すること。難しい決断を理解してくれたみなさんに感謝している」と締めくくった。
球団は「我々は彼の決断をサポートする。強くなった来季の姿を期待している」とコメントした。
ダルビッシュは前回の2009年大会に出場、日本の2連覇に貢献した。大リーグ1年目の今季は16勝9敗の防御率3.90だった。ダルビッシュは、日本代表に向けて「たくさんの才能あふれる選手がいる。日本のよき伝統をつないでくれると確信している」とエールを送った。