日米合意はオスプレイの市街地での転換飛行を禁止しておらず、ナセル角度によってはヘリコプターモードと転換モードの見分けは付き難いので、合意違反かどうかの判別はなかなか難しいものとなっています。転換モードがナセル角度80度前後の状態の場合、ヘリコプターモードと誤認してしまう場合が有り得ます。
⇒日米合意はオスプレイの市街地上空での転換飛行を禁止せず
◇オスプレイ配備 より強固な日米同盟の象徴に(10月10日付・読売社説)
米軍の新型輸送機MV22オスプレイが沖縄に配備された。
政府は、その意義と安全性を地元関係者に粘り強く説明し続けなければならない。
野田首相が沖縄県の仲井真弘多知事と会談し、オスプレイの米軍普天間飛行場配備について「安全性の確保や地域住民の生活に最大限配慮することが大前提だ」と述べ、理解を求めた。
仲井真氏は「普天間基地は街の中にあり、安全と言えない面もある」と述べ、配備見直しを求めた。オスプレイ運用の安全確保に関する日米合意の徹底順守などを求める要請書も首相に手渡した。
オスプレイの安全性を追求するため、政府は、日本独自の検証や日米合同委員会の協議・合意など様々な手段を尽くしてきた。
沖縄では、「市街地上空で垂直離着陸(ヘリコプター)モードの飛行が目撃された。日米合意違反だ」といった指摘がある。
だが、最も安全な飛行方法は気象条件などで変わる。米軍がわざわざ危険な飛行を選ぶはずもない。飛行モードだけで合意違反と速断するのは無理があろう。
MV22の事故率は海兵隊の全航空機平均より低い。特に、導入当初10万飛行時間の事故率は海兵隊では最小だ。データ面から見ても、オスプレイが極めて危険であるかのような主張はおかしい。
さらに重要なのは、オスプレイ配備が日米同盟を強化し、アジアの安定にも寄与することだ。
中国が、沖縄県・尖閣諸島周辺を含む東シナ海で海空軍の活動を活発化させている。今後も、国防費の大幅な伸びを背景に、艦船や航空機の増強と近代化を中長期的に続けると見るべきだ。
従来の米軍輸送ヘリCH46と比べて、オスプレイは巡航速度や航続距離が大幅に上回っている。海兵隊の即応力を高め、対中国戦略の一環だけでなく、在日米軍全体の抑止力の強化につながる。
朝鮮半島有事や離島防衛にとどまらず、災害対応や人道支援など、平時に果たす役割も大きい。
野田首相は、こうした観点からも、引き続き仲井真氏や地元自治体を説得すべきだ。
オスプレイの能力を十分生かすには、米軍単独の訓練に加え自衛隊との共同演習が欠かせない。
今月中旬には、沖縄での本格運用が始まるほか、日本本土でも、自衛隊基地を使用した訓練がいずれ行われる方向だ。
沖縄の過重な基地負担の一部を日本全体で引き受ける趣旨からも着実に実施に移したい。
◇よりによって「オスプレイを日米同盟の象徴に」と書いた読売社説 天木直人
9日に行われた仲井真沖縄県知事と野田首相の会談は政府側のゼロ回答に終わった。
配備の見直しの言及はなく、安全策の徹底についても具体的な対応は何も示さなかったという(10月10日東京)。
ここまで無視されて仲井真知事も佐喜真宜野湾市長も、よく黙って引き下がったものだと思う。
責任をとって二人とも辞任をすればいいのだ。
そうすれば沖縄県知事も、宜野湾市長もなり手が無くなる。
当然だろう。
ここまで沖縄住民がオスプレイ配備に反対しているのだ。
その悲願を日本政府に実施させることが出来ない以上、その職を全うすることはできない。
こころある人間ならそう思うだろう。
よこしまな利権あさりでもない限り、沖縄県知事や宜野湾市長の職など務められないと言ってボイコットするだろう。
成り手がなくなって初めてこの問題の深刻さが浮き彫りになるのだ。
おりしも川勝平太静岡県知事は9日の定例記者会見でオスプレイが普天間基地に配備されたことについて次のように語ったという(10月10日毎日)。
「ハワイでの飛行訓練は住民の反対で中止になったのに、周辺に市街地のある普天間で訓練を行うのは何事かと思っている」と。
これが普通の感覚だ。
ところがそのオスプレイの配置こそ日米同盟の象徴であると社説に掲げた大手新聞がある。
読売新聞は今でも米CIAの手先なのか・・・