サマーシーズンが終わり、レイバーデイ(労働者の日)を迎えた全米ボックスオフィス。先週末は2本の新作が公開され、超自然スリラー「The Possession」が約1750万ドルのオープニング興収で首位デビューを果たした。
同作は「死霊のはらわた」「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ製作による実話を元にした作品。ガレージセールで見つけた木箱によって悪魔に憑依された娘を救うため、離婚した両親が奔走するが、やがて娘は肉親をも襲い始める……。典型的な「エクソシスト(悪魔払い)」もののストーリーのせいか、レビューは厳しめ。それでも月曜日のレイバーデイを含めると約2000万ドル以上の興収を上げ、興行的には成功したといえるだろう。キャストは父親役にジェフリー・ディーン・モーガン、母親役にキーラ・セジウィック。監督は、ユアン・マクレガー主演の「ナイトウォッチ(1998)」で知られるデンマーク出身のオーレ・ボールネダル。
約960万ドルのオープニング興収で2位デビューとなったのは、「ザ・ロード」のジョン・ヒルコート監督による犯罪ドラマ「Lawless」。禁酒法時代後期の米バージニア州を舞台に、密造酒ビジネスで成功した3兄弟が腐敗した警察と戦う姿が描かれる。マット・ボンデュラントによる小説「The Wettest County in the World」を、ミュージシャンのニック・ケイブが脚色した。出演はシャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ゲイリー・オールドマン、ガイ・ピアース。レビューはまずまずだったが、時代物ということがネックだったか、やや期待はずれのオープニングとなってしまった。
2週連続の首位から陥落して、3位となったのは「エクスペンダブルズ2」。累計興収は6600万ドル。1億ドル突破はかなり厳しくなってきた。一方、4位「ボーン・レガシー」は累計が約9600万ドルと1億ドル目前となっている。
また、7位「ダークナイト ライジング」は先週末に中国で公開され、全世界興収が10億ドルを突破。アメリカ国内ではシリーズ記録更新とはならなかったが、全世界興収では「ダークナイト」3部作で最大のヒットとなった。
今週末は、ブラッドリー・クーパー、ゾーイ・サルダナ、ジェレミー・アイアンズ、オリビア・ワイルド、デニス・クエイド共演のドラマ「The Words」が公開となる。
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典型的な「エクソシスト(悪魔払い)」もののストーリーにはレビューは厳しく、密造酒ビジネスで成功した3兄弟が腐敗した警察と戦うストーリーのレビューはまずまずらしい。科学を信じ、というのは間違い。科学を信仰(信じる・信じない)の対象にするのは日本人ぐらいで、宗教的儀礼において悪魔払いには否定的、成功者は社会貢献をすべきだというアメリカ社会を垣間見る気がする。