性犯罪者に性的衝動を抑える薬物の投与を認めた韓国の法律を巡り、被害者の対象を拡大する改正案が検討されている。同国では先週、7歳の女児が拉致され性的暴行を受ける事件があり、これを受けて性犯罪に対する処罰や防止策の強化を求める声が高まっている。聯合ニュースが伝えた。
同国で最近施行された法律では、16歳未満の子どもに性的暴行を加えた19歳以上の加害者に性的衝動を抑える薬物を投与することが認められ、今年5月に初めて執行された。
改正案は、被害者の年齢を19歳未満まで引き上げる内容。権在珍(クォン・ジェジン)法相が閣議で李明博(イ・ミョンバク)大統領に提案した。李大統領は先週の暴行事件を厳しく非難し、対応策の検討を約束している。
このほかにも、政府のウェブサイトで性犯罪者の住所を公開する案や、足輪などの電子監視装置を装着させる制度を、2010年の施行以前の犯行までさかのぼって適用する案などが挙がっているという。
性犯罪者への薬物投与はアルゼンチン、オーストラリア、ロシアなどの国々が実施しているが、被害者の年齢の上限を19歳まで引き上げている例はない。
米国内ではカリフォルニア、フロリダなど少なくとも9州で、同様の措置が検討されている。薬物投与によって再犯を防ぐのが狙いだが、だれにでも効果があるというわけではなく、副作用の可能性もあるとする反対意見や、合衆国憲法に違反するとの議論も出ている。
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7歳女児の性的暴行事件が被害者の年齢の上限を19歳まで引き上げる改正案につながった。どういう論理なのだろうか?