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尖閣、国が20億円前後で地権者から直接購入へ、石原構想空振りか

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 尖閣諸島の領有権をめぐっては二つの見方があるようだ。ひとつは「施設などを建設して実効支配を明確にする」ことであり、一つは「互いに利益のない島に関しては現状通り棚上げにする」ことである。この場合の利益とは、エネルギーなどの国の利益であって、漁場という特定の団体の利益を指すものではない。 

 東京都や沖縄県、石垣市は前者の見方である。そのことは中山石垣市長の発言にも端的にあらわれている。

『日本政府が購入すれば同じ状況が続くのではないか。この状況が続けば中国からの圧力が強まり、日本が尖閣諸島にインフラを建設して領有権を主張しないかぎり日本はさらに追い詰められるのではないか。東京都の調査団が日本政府から尖閣諸島への上陸許可が得られなかった理由の1つは、中国からの圧力だ。日本政府はおそらく東京都に尖閣諸島を購入してもらいたくない。その一方で、尖閣諸島を開発するつもりのない日本政府が購入すれば、中国にとってはメリット』
 
 尖閣諸島は国の問題ではなく、国VS自3治体の利益の争いと化してしまったようである。 

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■尖閣諸島は守らなければならない 中山・石垣市長インタビュー(2012/9/1 The Wall Street Journal)

 日本から尖閣諸島(中国名:釣魚島)を訪れる船は沖縄県石垣市から出航する。尖閣諸島をめぐる日本、中国、台湾の対立の最前線にいるのが石垣市の中山義隆市長(45)だ。中山市長は日本政府による支配の下で尖閣諸島が保全また開発されるようにし、許可を受けていない外国人による上陸を抑止することを自らの使命にしている。

 尖閣諸島は石垣市が管轄しており、住所も石垣市となっている。

 中山市長は業務の一環として、尖閣諸島が日本の領土であることを証明し、尖閣諸島の重要性を説明している。この仕事に地図は欠かせない。市長室までの廊下には石垣市の海と島を上空から撮影した大型の航空写真地図2枚が飾られていた。中山市長はインタビューの途中で急に立ち上がり、別の地図を取りに行った。この地図の一番下には中国の東海岸が、その上方に日本列島が印刷されていた。

 中山市長は地図を指さしながら、中国はこの海域を「全く自分たちの海のように」見ていると話す。中国が太平洋に出ていく上で日本は「邪魔」で、中国は「本当はここ全部自由に使いたい」と思っている、というのが中山市長の見方だ。

 中山市長は、尖閣諸島が日本の領土に含まれる形で国境線が引かれていることからもわかるように、中国本土と日本の間には海という緩衝地帯があると話す。万が一、尖閣諸島が中国の支配下に入るようなことがあれば、日本の船舶は貴重な漁場に近づくことができなくなり、中国軍が尖閣諸島に駐留すれば、日本の国家としての安全が脅かされる、と中山市長は述べた。

 中山市長は、尖閣諸島のうち3島を所有する民間の地権者と交渉中の石原慎太郎東京都知事と緊密に連絡を取り合っていると述べた。中山市長は東京都と連携して尖閣諸島の開発を行い、今度こそ問題に決着をつけたいと考えている。

 香港の活動家らが先月、尖閣諸島の1つに不法に上陸し、日本政府がこの活動家らを強制送還したことについて、中山市長は政府の対応に強い不満を表明した。
 
 中山市長は「不法に上陸してきた人を通常の難民と同じような形で扱って、返してしまうということは中国に対して、誤ったメッセージを送ってしまうと思う」と述べ、日本政府が活動家らを逮捕して日本で裁判を受けさせていれば、今後の上陸を阻止できたのでないかとの見方を示した。

 このような一連の事態を受けて、中山市長は東京都と同じく、尖閣諸島を購入する意向を表明している日本政府を信用することができないでいる。日本政府は現在、地権者から尖閣諸島を賃借している。

 中山市長は日本政府が購入すれば同じ状況が続くのではないかとの不安がある、と述べた。この状況が続けば中国からの圧力が強まり、日本が尖閣諸島にインフラを建設して領有権を主張しないかぎり日本はさらに追い詰められるのではないか、とも中山市長は指摘した。

 東京都の調査団が日本政府から尖閣諸島への上陸許可が得られなかった理由の1つは、中国からの圧力だと中山市長は考えている。中山市長は、日本政府はおそらく東京都に尖閣諸島を購入してもらいたくないと考えていると指摘、その一方で、尖閣諸島を開発するつもりのない日本政府が購入すれば、「中国にとってはメリット」と述べた。

 中山市長はこれまで尖閣諸島を上空から視察した経験があるだけで、今回、政府が東京都の調査団に上陸許可を与えていれば、調査に同行するはずだったと述べた。石原東京都知事は10月に再度、現地調査を行う際には自らも同行する考えを示しており、許可が下りなくても上陸するとの意向を示している。中山市長も上陸するのだろうか?

 中山市長は明言を避け、石垣市長として上陸は「切り札」だと述べ、上陸しない可能性を示唆した


■都の尖閣調査団、不動産鑑定のデータなど収集(2012年9月3日 読売新聞)

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入を目指す東京都は2日、同諸島の魚釣島、北小島、南小島の周辺海域を調査した。

 不動産鑑定や取得後の活用方法を検討するための基礎データを集めるのが目的で、同日夕まで続いた。都は調査結果を踏まえ、島の取得額を算定して都財産価格審議会に諮った上で、12月都議会に予算案を上程する方針。

 都は10月にも再調査し、石原慎太郎知事自身も参加する。

 海洋政策の専門家や不動産鑑定士、都職員ら25人で編成する調査団は1日夜に海難救助船「航洋丸」(2474トン)で石垣港を出港。2日午前5時頃、同諸島最大の魚釣島近海に到着した。調査は午前6時半に開始。小型船とラバーボートに調査員15人が分乗し、同7時過ぎに魚釣島西側の旧船着き場近くに到着した。




■石原氏「沖縄と仕事する」 漁船待機施設建設など政府応じない場合(MSN産経ニュース 2012.9.2)

 東京都の石原慎太郎知事は2日のフジテレビ番組で、自らが沖縄県・尖閣諸島の国有化容認の条件に挙げた漁船待避施設の建設に政府が応じない場合について「政府を相手にしない。石垣市、沖縄県と一緒に仕事をする」と述べ、購入や活用をめぐり沖縄県や石垣市と連携する考えを示した。

 石原氏は近く沖縄県の仲井真弘多知事と会うとの意向を明らかにし「3つの自治体がとにかく力を合わせる。石垣の漁民のためだし、沖縄のためだ」と述べた。


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 中山石垣市長の『日本政府はおそらく東京都に尖閣諸島を購入してもらいたくない。その一方で、尖閣諸島を開発するつもりのない日本政府が購入すれば、中国にとってはメリット』とする不安、東京都の石原慎太郎知事の「政府を相手にしない。石垣市、沖縄県と一緒に仕事をする。3つの自治体がとにかく力を合わせる。石垣の漁民のためだし、沖縄のためだ。」とする利益の主張、それらも終わりに近づいたようである。国が尖閣諸島の購入へ積極的に動き出した。

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■尖閣、国が20億円前後で地権者から直接購入へ(2012年9月3日 読売新聞)

 政府は、沖縄県石垣市の尖閣諸島を地権者から直接購入するための最終調整に入った。

 地権者とはすでに買収交渉を進めており、20億円前後で買い取りたい考えだ。財源は、国の予備費を充てる方向で調整している。政府筋が2日、明らかにした。

 国に先行して購入を目指している東京都は、購入資金として国民から14億円以上の寄付金を集めた。政府としては、都を上回る額を提示することで、国有化への理解を地権者に求めたい考えだ。

 地権者との買収交渉は、都が国よりも早い時期から始めた。しかし、都が8月22日、政府に尖閣諸島・魚釣島への上陸申請を提出した際には、地権者の上陸同意書が添付されておらず、政府内には「都と地権者の交渉が順調に進んでいない」との見方が出ていた。





























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