民主制における意思表示の方法は投票だけである。もっとも、孟子は、投票の契機がなくても、天意は人意に現れるとしているから、日本の民主制とは孟子的民主制のっことであるとするなら、意思表示に投票は必要ないだろう。沖縄で大ブームである。有史以来、現在ほど、日本は国際化・開国を他国から求められている。そうした時期に、沖縄で大ブームの孟子的民主制を肯定してよいものだろうか？
仲井真弘多知事は「県民が納得できるよう説明するのは米国の義務だ」としている。なぜ、アメリカは航空機の安全に関して沖縄県民を納得させる必要があるのだろう。県民には配備に関して何らの権限ももっていない。知事の申し出にアルフレッド・マグルビー駐沖縄米総領事は「根本的には安全なシステムだ」と応じた。それで十分だろう。
日本には論争(事実の検証)の伝統はない。だから国会も論争の場とはなっていない。伝統がない論争の技術などは教育などで育むしかない。また論争を妨害する伝統的思想がある。讒謗能力や発声能力を尊ぶ姿勢であり、その背景にある考え方である。それに対しては法律で規制しなければならない。今の日本には論争はない。そのため法案や政策は利益の折り合いで成立してしまう。さらに、国会では利益が折り合っても、その実施にあたって住民などとの利益の折り合いが成り立つとはいえない。いわゆる市民感情なるものの反対などがある。こうした感情をくみ取ることが素晴らしい政治だとメディアはもてはやす傾向が強い。しかし、それの説得によって政策決定をするなら、すべてが住民投票になり、政治は不要になるだろう。
一面、政治を不要にしようとする県民大会が来月９日に行われる予定である。いわゆるデモ活動(示威行為)である。孟子的民主制を肯定する人々にとって、こうしたデモは欠かせず、その成功不成功は、『実行委員会では、県生活協同組合連合会の東條渥子会長が独自の取り組みを紹介。２７日から本島内のコープ宅配車１５０台に大会の告知ステッカーを貼って走らせるほか、オスプレイの飛行ルートにあたる岩手県など県外を含む８生協で、大会に参加できない人に赤い布にメッセージを書いてもらっていることを報告した。メッセージ布は１枚ずつ端を結んでつなげ、万国旗のように仕立てる予定。』とするような、小沢一郎衆議院議員の選挙観と同じで”数稼ぎ”である。
また、この大会に関して普天間第二小学校の保護者(主婦)の見方が地元のテレビニュースで紹介していた。簡単にいえば「だめもと」らしい。配備に反対してもどうせ何も変わらないことは知っているが反対していることは示したい、としてステッカーを腕にしているのを見せていた。つまり、その人達は「本気ではない」のである。日本ではチンピラも本気で絡んでくることは少ない。因縁をつけることで、こちらの利益になる関係が築けるのではないかという思いで絡んでくる。だから日本人はこれを解決できるものだと信じている。保護者(主婦)にとっては、国との関係も「チンピラにように絡む」と同じ心情なのである。
■オスプレイ：空は「×」屋上に布 飛来機へ訴え
うるま市与那城屋慶名の就労継続支援Ｂ型事業所「あいとぴあ」（富山光枝施設長）が、１階建ての施設屋上に「オスプレイＮＯ」などと書いた赤い布を今月９日から掲げている。約１２０枚の布を「×」印の形にしてロープなどに張り、上空を飛ぶ米軍のヘリや戦闘機に配備反対を訴えている。
事業所がある屋慶名地域は米海軍のホワイトビーチに近く、オスプレイを輸送できる強襲揚陸艦が寄港する際、上空を飛来する可能性がある。事業所の朝礼では政治や社会問題を話し合う機会があり、同機配備に反対する県民大会の話題がきっかけで、通所者から施設でも意思を示したいという声が上がった。
震災や大規模事故などに遭った場合、障がい者が逃げ遅れるケースがあり、万が一オスプレイが墜落したら逃げられないと懸念している。赤い布にはメッセージや絵を書き、通所者３５人と職員１２人の気持ちが上空を飛行する米軍機に伝わるよう工夫した。
「オスプレイは絶対反対」と書いた同市の東仲村正明さん（３１）は「欠陥機といわれるオスプレイがもし墜落したら怖い。屋上いっぱい赤くして沖縄の怒りを伝えたい」と強調。「平和で安全な島を」と記した祖堅奈奈さん（２１）は、テレビで見た沖縄国際大学でのヘリ墜落事故の映像が脳裏に焼き付いており、「沖国大のような事故は二度と起きてほしくない。声を上げたかった」と訴える。
池原学さん（３６）は「子どもたちの命にかかわる危険を残すのは嫌」。県民大会にも足を運んで意思表示するつもりだ。
■事故原因、県民に説明を＝オスプレイ配備で米総領事に―沖縄知事
駐沖縄米総領事に就任したアルフレッド・マグルビー氏が２０日午前、着任のあいさつで沖縄県庁を訪れ、仲井真弘多知事と会談した。知事は、米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）に配備される予定の垂直離着陸輸送機ＭＶ２２オスプレイがモロッコや米国で起こした事故原因を県民に説明するよう強く求めた。
仲井真弘多知事
県民が納得できるよう説明するのは米国の義務だ。
アルフレッド・マグルビー
根本的には安全なシステムだ。
一方、１８日に那覇市内で米海兵隊員が強制わいせつ致傷容疑で県警に逮捕された事件について、知事は「人権上問題で、とても許せる話ではない」と抗議し、米軍の綱紀粛正と再発防止を求めた。
■オスプレイ沖縄配備は９月１０日以降 米海兵隊中将
在沖縄米軍トップのケネス・グラック沖縄地域調整官（海兵隊中将）は２１日、共同通信とのインタビューに応じ、新型輸送機ＭＶ２２オスプレイの普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）への配備は、９月９日に開かれるオスプレイ配備反対の県民大会の後になるとの見通しを示した。
グラック中将はまた、死者や２００万ドル以上の損害が出た「クラスＡ」の事故率（１０万飛行時間当たり）は、米軍が運用する他の航空機と比べ低い部類に入ると指摘。「最も安全な航空機を開発できたと確信している」と、同機の安全性をあらためて主張した。
■オスプレイ：２７日 県庁で決起集会
オスプレイに反対する９・９県民大会の第６回実行委員会が２１日、県議会棟であり、市町村長や市町村議会議長、共同代表など約３００人が一堂に会する決起集会を２７日に県庁で開くことを確認した。集会前の午後１時ごろから約３０分間、那覇市の県民広場で「オスプレイに反対する県民（うまんちゅ）１００円募金」も展開する。
玉城義和事務局長
決起集会で地域の横線を広げ、それぞれの組織で縦線を盛り上げてほしい。
募金は、オスプレイ配備反対の意思表示を広げる狙い。各市町村の公共施設に募金箱を置くほか、実行委員団体もそれぞれ呼び掛けて実施する。総額１千万円を目指し、大会運営や大会後の訪米活動に役立てる。
実行委員会では、県生活協同組合連合会の東條渥子会長が独自の取り組みを紹介。２７日から本島内のコープ宅配車１５０台に大会の告知ステッカーを貼って走らせるほか、オスプレイの飛行ルートにあたる岩手県など県外を含む８生協で、大会に参加できない人に赤い布にメッセージを書いてもらっていることを報告した。メッセージ布は１枚ずつ端を結んでつなげ、万国旗のように仕立てる予定。
■オスプレイ撤回要望案、九州議長会保留扱い
九州・沖縄８県の県議会議長らでつくる「九州各県議会議長会」（会長＝石井秀夫・佐賀県議会議長）の定例会が２２日、熊本市のホテルで開かれた。沖縄県が米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）へのＭＶ２２オスプレイ配備計画の撤回を求める要望を提案したが、意見が一致せず保留となった。
沖縄県は〈１〉普天間飛行場を固定化せず、早期閉鎖・返還すること〈２〉閉鎖・返還時期を明確にすること〈３〉オスプレイ配備計画を直ちに撤回すること――の実現を政府に要望する案を提示。
出席者によると、定例会前の事前協議で、〈１〉〈２〉に対する反対はなかったが、〈３〉について「オスプレイの危険性に関する情報がまだ十分に示されていない」という意見が出たという。
■山口新知事 オスプレイは国の説明後判断
２２日、山口県の知事に就任した山本新知事が記者会見を行い、アメリカ軍岩国基地に搬入された最新型輸送機「オスプレイ」について、機体の安全性の検証結果について国から説明を受けたうえで、県の対応を判断する考えを示しました。
先月２９日の山口県知事選挙で初当選した山本繁太郎新知事は、２２日、山口県庁に初登庁し就任会見を行いました。この中で、山本新知事は、アメリカ軍岩国基地に搬入された最新型輸送機「オスプレイ」について、「モロッコとアメリカ国内で起きた事故について、アメリカ政府が行った調査結果を政府が検証し、その内容の説明を聞いたうえで対応することになる」と述べ、国からの説明を受けたうえで、試験飛行などについて、県の対応を判断する考えを示しました。
また、山本新知事は、選挙前から患っている肺炎について、来月上旬まで病院に入院して治療に専念することを明らかにしました。そのうえで、山本新知事は「私が治療に当たっている間も、緊急の課題については的確に調整・協議をして対応していきたい」と述べました。