【最近5試合の対戦成績】
日本 4勝1敗
・第15回アジア選手権(09年9月12日)
●日本 1−3 タイ
・ワールドグランドチャンピオンズカップ2009(09年11月12日)
○日本 3−0 タイ
・ワールドグランプリ2011決勝ラウンド(11年8月27日)
○日本 3−0 タイ
・第16回アジア選手権(11年9月19日)
○日本 3−0 タイ
・第16回アジア選手権(11年9月22日)
○日本 3−2 タイ
【タイとの通算対戦成績(1993年4月〜2012年4月)】
日本 25勝4敗
【全日本女子、3連勝なるか? セルビアを倒したタイと対戦】
バレーボール女子のロンドン五輪世界最終予選(5月19日〜27日)第3日が22日、東京体育館で行われ、2連勝と好スタートを切った全日本女子は第3戦でタイと対戦する。
日本は初戦のペルー戦、続くチャイニーズタイペイ戦でストレート勝ちを収め、第2日を終えた時点で首位に立った。2試合とも序盤はやや硬さが見られたものの、木村沙織や荒木絵里香(共に東レ)の高さを生かした攻撃などで、相手を寄せ付けなかった。
アジア勢3連戦の2試合目の相手は、近年力をつけているタイだ。今大会初戦はロシアに敗れたものの、第2戦では世界ランク6位のセルビアを3−0で下して勢いに乗る。セッターのヌットサラ・トムコムを中心に、バリエーション豊富なコンビバレーを展開。エースのマイカ・クントーンが攻撃をけん引する。全勝で1位通過を目指す日本にとっては、正念場となるだろう。
【全日本スターティングメンバー】
木村沙織 竹下佳江 荒木絵里香 岩坂名奈 山口舞 江畑幸子
リベロ:佐野優子
【第1セット】
初戦、2戦目と同じメンバーながらもポジションを変更した日本は開始から攻勢に出る。硬さの見えるタイに対して序盤で8−2とリードを奪い、テクニカルタイムアウトを迎える。
その後も日本は江畑のブロック、木村のスパイクなどでリードを保つ。しかし、徐々にペースをつかみ始めたタイが追い上げを開始する。日本は16−10と点差を広げることができず、二度目のテクニカルタイムアウト。
流れをタイに持っていかれそうになった日本は2枚替えで山口に代えて狩野舞子、竹下に代えて中道瞳を投入。すると途中出場の狩野が高さを生かしたブロックで得点をきめると、攻撃では江畑、木村がスパイクを決めてチームを勢いづけ、25−17で第1セットを先取した。
【第2セット】
第2セットはローテーションを変更した両チーム。最初に流れをつかんだのは日本。5−2とリードすると、タイは早いタイミングでタイムアウトを入れる。するとタイが4連続ポイントを奪い、逆転する。この試合で初めてリードを奪われた日本だが、エースの木村がスパイクを決めるなど、ここから3連続で得点を奪い、テクニカルタイムアウトを迎える。
突き放しを図りたい日本だが、安定したディフェンスとチームワークを誇るタイの粘りに合う。長いラリーが多く見られるようになり、タイのペースに引き込まれると、日本は12−12と同点に追いつかれる。その後も一進一退の攻防が続き、日本は点差を広げることができない。
拮抗した試合が続くなか、岩坂がこの試合で初めてとなるブロックを決めると、江畑らが続き、日本は4連続得点でリードを広げる。その後もこの試合絶好調の江畑が攻撃陣をけん引すると、最後は交代で出場した狩野が連続ブロックで得点を重ね、25−18で日本は2セットを連取した。
【第3セット】
試合を優勢に進める日本は、第3セットでも主導権を握る。江畑がバックアタックを連発し、タイの脅威となる。絶好調の江畑はブロックでも効果的な働きを見せ、チームに勢いを与える。リードを広げたい日本だが、守備のミスが少ないタイに苦しめられる。すると日本は流れを変えるために、岩坂に代えて平井香菜子投入。すると流れが日本に傾き、平井のブロックなどで5点のリードを保ち、16−11でテクニカルタイムアウトを迎える。
一気に勝負を決めたい日本だが、テクニカルタイムアウト後にタイに4連続得点を許し、16−15と一点差に詰め寄られる。嫌な流れとなったが、そんな日本を救ったのはまたしても江畑だった。アタック、ブロックと要所で得点を重ねる。最後まで粘りを見せるタイに苦戦するも、最後は木村が連続ポイントを決めて、25−21。日本がストレートでタイを下した。
【日本 3 (25-17 25-18 25-21) 0 タイ】
【全日本女子、粘るタイを振り切り3連勝】
バレーボール女子のロンドン五輪世界最終予選(5月19日〜27日)第3日が22日、東京体育館で行われ、全日本女子はタイに3−0(25−17、25−18、25−21)でストレート勝ちを収め、3連勝を飾った。
日本は序盤からリズムをつかみリードを奪う。タイに反撃を許す場面も見られたが、江畑幸子(日立)らの活躍で第1セットを先取した。第2セットは中盤で追い付かれながらも江畑、岩坂名奈(久光製薬)らの攻撃でタイを突き放した。勢いそのままに第3セットも奪った日本が粘るタイを振り切った。
日本は23日、第4戦でここまで1勝2敗の韓国と対戦する。
8チームが出場する今大会はアジア大陸予選を兼ねており、上位3チームと、残りの5チームのうちアジア最上位1チームの計4チームがロンドン五輪の出場権を獲得する。
【試合スタッツ】
・最多得点 江畑幸子 21点
<部門別得点ランキング>
・スパイク得点
1位 江畑幸子 17点
2位 木村沙織 11点
3位 山口舞 5点
・ブロック得点
1位 狩野舞子 4点
1位 木村沙織 4点
1位 江畑幸子 4点
・サーブ得点(サービスエース)
1位 岩坂名奈 1点
1位 竹下佳江 1点
【周囲を生かし、チームを盛り立てた竹下のプレー=バレー五輪最終予選】
バレーボール女子のロンドン五輪世界最終予選(5月19日〜27日)第3日が22日、東京体育館で行われ、全日本女子はタイと対戦した。
ペルー、チャイニーズタイペイを打破し、2連勝で迎えた第3戦。多彩な攻撃を武器とするタイとの一戦を前に、真鍋政義監督がまずポイントとしたのは「立ち上がりから攻めること」。序盤からサーブ、スパイクでタイのミスが続いたことにも助けられ、その立ち上がり、日本は江畑幸子(日立)や山口舞(岡山)の攻撃で先行し、25−17で第1セットを先取する。
しかし試合巧者のタイも徐々に調子を取り戻し、的確に狙いどころを突いたサーブで日本の守備を崩す。日本は自ずと攻撃の選択肢も限られ、苦しい状況を打破しようとサイドの江畑、木村沙織(東レ)にトスを上げてもブロックがそろい、抜けたコースにもレシーブが入り、なかなか点数を取り切れない。
タイが攻勢に回る中、再び流れを引き寄せたのはセッターの竹下佳江(JT)だ。サーブレシーブが崩れた場面や、ブロックのフォローが乱れたところでも2本目のボールをアタッカーにつなぎ、攻撃のチャンスを懸命に生み出す。
「全員が生きるように、いい状況でうまく使ってあげたいと思って(トスを)上げました」
ブロックが木村や江畑に集中すると、山口をうまく使い、山口もまた堅実なプレーで着実に得点を生み出す。タイミングが異なり、木村のバックアタックとズレが生じる場面もあったが、「チームとしてディグからのスパイクを強化してきたので、それが出て良かった」と言うように、強打を立て続けにレシーブしてチームを盛り立てる。
第2セットの16−15と競り合いの中ではサーブで攻め、4連続得点に貢献。さらに第3セットでは13−11とタイに2点差まで追い上げられたところから、またも竹下のサーブで相手の攻撃を絞らせ、途中出場の平井香菜子(久光製薬)が連続ブロックで16−11と突き放し、勝利をグッと引き寄せる。粘るタイの追い上げに16−15と迫られ、ヒヤリとする場面もあったが、ここでも冷静に山口、江畑を使い、終わってみれば3−0。真鍋監督が「大一番」と銘打ち、接戦が予想された対戦をストレート勝利で飾った。
「苦しいところで江畑が決めてくれたことが大きかった。何より、勝ったことが一番よかったです」
一戦必勝の短期決戦。23日の第4戦は1勝2敗の韓国と対戦する。
【竹下佳江(JT)の試合後コメント】
この2戦、スタートが悪かったので、今日の試合はスタートが大事だと意識をして臨んだ。勢いを持って(試合に)入ることができて良かった。チームとしてディフェンスに対しては時間をかけて取り組んできた。厳しい場面でレシーブ、ブロックなど1本が出たことが大きかった。勝ったことが一番。今日は良かった。明日(23日の韓国戦)また頑張る。
江畑幸子(日立)が立ち上がりから好調。チーム最多の21得点を挙げて、3連勝に貢献した。
【江畑幸子の試合後コメント】
簡単に勝てる相手ではないと思っていた。自分たちのバレーで勝つことができて良かった。個人的にはところどころのサーブミスやスパイクミスなどがあったので、直したい。(ブロックは)ミーティングで話をした通りにできたが、まぐれもあり、自分でもびっくりしている。
エースの木村沙織(東レ)はチーム2位の15点を挙げたが、「いい攻撃を使えなかった」と反省も口にした。
【木村沙織の試合後コメント】
前の2試合は出だしが悪かったので今日はスタートから意識した。タイは強いチームなので、最初に点数を取るよう心掛け、そういう展開になって良かった。
佐野優子(イトゥサチ/アゼルバイジャン)は試合後、相手のコンビプレーを封じたのが勝因と試合を分析した。
【佐野優子の試合後コメント】
最初の2戦が出だしは相手に先行されて、なかなかリズムがつかめず苦しい展開になっていた。今日はサーブから攻め、ブロックが良かった。まずは相手のサーブレシーブが返ったところからのコンビプレーをブロックするのが対策だった。二段トスの時もライン側を(ブロックが)締められていたので、後ろでディフェンスをしやすかった。相手の得意な攻撃をブロックでワンタッチを取ったり、止めてくれた。気持ちよく相手のコンビを組ませなかったところが勝因。(3セット目に追い上げられたのは)自分たちで修正できるミス、もったいないミスからの失点が原因なので、相手がどうこうではなく自分たちで抑えられる状況だった。(23日の韓国戦は)キム・ヨンギョンが1人で決めてくるチームなので、ディフェンス、ブロックでどれだけ対応できるかがカギになる。ディフェンスを固めていい内容で勝ちたい。