日本人が居住地からの移転を拒否する根拠はひとつだけだろう。日本人は社会を自然と生物との関係と同じと捉え、人工的組織として捉えることを拒否する。これに対してアメリカ人は社会を人工的組織として捉えるから、それからの脱出も可能にしている。社会は人工的組織なのだから、ある場所を居住地として定めると、まず社会と住民との上下契約を交わす。それに基づいて行政・司法・立法の機能を構成していく。それに対して日本では脱出は不可能である。唯一可能なのが集団移転だろうか。
もし沖縄がアメリカであり、その居住地ないしはその周辺に異国の基地が存在した場合、彼らはその地域から脱出し、新天地で新たな社会を作って行く。この視点から、沖縄人の行動を見ると、それは異常の一言だろう。沖縄人も社会を自然と生物と同じものとして捉えるから、それから脱出という発想はせず、基地の周辺が居住地となり、さらに、生物がかつての生息地へと向うが如く、基地内のかつての村落への郷愁を募らせて行く。そうした心情が、いわゆる沖縄問題ないしは基地負担と呼ばわれる原因である。
こうした沖縄人のあり方を東北の被災地の方々には反面教師にして欲しいと思っていた。沖縄を反面教師としたわけではないだろうが、防災集団移転事業に野田村が賛同したのは嬉しい限りだ。私たち住民にとっては政治家の理想だとか、政治闘争だとかは、ある意味馬鹿馬鹿しいことでしかない。とにかく安全地帯に住んでいるということ、それが先決ではないだろうか。
2012年3月7日放送 5:25 - 8:00
フジテレビ めざましテレビ
出演者
立本信吾 長野美郷 中村光宏 倉田大誠 生野陽子 森田涼花（アイドリング！！！） 軽部真一 久下香織子 皆藤愛子 加藤綾子 遠藤玲子 伊藤利尋
〜はじまりの3.11〜めざましライフエイド
被災地・野田村唯一の医師 加藤アナ喜びの再会
東日本大震災の津波で自宅兼病院が流失し、臨時の診療所で診療を続けている押川公裕先生が7月に新しい診療所をつくることが明らかになったので紹介。先生は1年経って村の人たちは震災直後よりだいぶ体調が良くなってきたと話をした。
東日本大震災の影響で6月まで避難所だった野田村のホテルが現在は営業を再開しているので、ホテルを訪れ近海でとれた新鮮な魚などを使用した料理を紹介し、試食した。
スタジオトークでは東日本大震災後、野田村には何もない風景だったが今では司会を遮るような建物が沢山立ち始めて住民たちの様子も1年が経ち明るくなってきた印象があると話をした。
◆被災宅地の標準価格を提示 野田村、県内自治体で初
野田村は２５日、村役場で、防災集団移転事業の説明会を開き、城内、米田・南浜の両地区について、被災した土地の買い取り価格の指標となる１月現在の標準価格を公表した。震災がなかったと仮定した場合に比べ、住宅地で２〜３割減の１平方メートル当たり６３００〜９３００円。県内の被災自治体で価格が示されたのは初めてで、住民はこれを基に高台移転や自立再建が可能かどうかを判断する。
説明会には両地区合わせて約１２０人が出席。村は独自に不動産鑑定士に依頼して行っている鑑定結果の見通しを示した。
被災した住宅地の標準価格は中心部の城内で１平方メートル８７００〜９３００円、米田・南浜地区は６３００〜６７００円。震災がなかったと仮定した場合の１月の標準価格と比べ２〜３割減となる。両地区は公園などに活用する方針で、村は「将来の土地利用を見込んだ価格」と説明する。
一方、移転先となる高台造成地の平均分譲価格は、城内は約９千円、米田・南浜は約６千円で、被災土地の売却額とほぼ同額で購入できる見通しも示した。
住宅購入費用についての試算も提示。米田・南浜地区の高台で、３３０平方メートルの土地に７４平方メートルの家を再建する場合、土地購入費と住宅建設費が１２３４万円。国や県の補助計３００万円を考慮すると、義援金や住宅保険などがない場合、自己負担は７１２万９千円になる。
村は住民から３月５日までに高台移転や土地売却の意向確認書を提出してもらい、月内に合意したい意向。事業について国の承認を得た後、７月から宅地の造成工事に着手。工事は２０１４年度末に完了見通しという。
岩手日報 2012/02/26