中野美奈子　藤原新2位、賞金レース「ゲブラシラシエを抜いて3位以内とわかったときに、ちらりと…。」

東京マラソン3万6000人が疾走日本人最高2位・藤原新（30）五輪確実
　きのう行われた東京マラソンはロンドン五輪の選考を兼ねていたが、今回、日本人最高の2位を記録した藤原新選手が俄然、注目されている。

東京マラソン2012 被災地の市長も参加
　きのう行われた東京マラソンでは、3万6000人が思い思いの服装で都庁前を出発。震災後初めてとなる今大会では被災地の福島・南相馬市市長桜井勝延も参加した。南相馬市では原発事故の影響で今も約2万人が避難している。

東京マラソン2012 公務員ランナーｖｓ無職ランナー
　東京マラソンはロンドン五輪の男子代表選考会も兼ねている。昨年のこの大会で活躍した公務員ランナー川内優輝選手、4年前のこの大会で2時間8分台で2位になった藤原新選手、前世界記録保持者のハイレ・ゲブレセラシェ選手が注目を集めた。

“スカイツリー”“ガガ様”東京マラソン爆笑仮装
　きのうの東京マラソンのコースを説明。東京都庁前をスタート、東京ビッグサイトがゴールとなる。AKB48、クレオパトラ、レディー・ガガ、徳川光圀などの仮装での参加も多く見受けられ、被災地への思いをオブジェにする人もいた。

“公務員ランナー”川内優輝 2度の給水ミスで動揺
　東京マラソンで、トップ集団は熾烈な争いを展開していた。川内優輝選手は給水地点でボトルを取ることができないアクシデントに見舞われた。沿道で見守る高校時代の恩師も、汗が多いと心配する。

“無職ランナー”藤原新（30）日本人トップで五輪確実に
　きのうの東京マラソンで、川内優輝選手が23km過ぎから遅れを取る一方で、藤原新選手がハイレ・ゲブレセラシェ手を抜き、日本人最高の2位でゴールした。日本人選手では5年ぶりとなる2時間7分台の高タイムをマーク、初の五輪出場をほぼ確実にした。

東京マラソン日本人トップ“無職ランナー”藤原新（30 ）
　きのうの東京マラソンで日本人最高位でゴールした藤原新選手は、2008年の大会で2位になったが北京五輪代表には選ばれず、おととしJR東日本を退社、企業と契約を結ぶプロランナーに転向した。しかし昨年の東京マラソンは惨敗、所属契約も解除され、収入がない中、単身、都内で練習を続けてきた。

スタジオ解説
　東京マラソンで2位になった藤原新選手と電話でトーク。現在の心境を、五輪に選出されたらもちろん頑張ると語り、賞金が目標になったのは終盤だった、後半の伸びにはカーヴィーダンスの効果があったと語った。

　東京マラソンで2位になった藤原新選手と電話でトーク。JR東日本を辞めたのは、マラソンでどれだけやっていけるかという可能性を試してみたかったというポジティブな理由が一番で、今後、実業団に誘われたらじっくり考えると話した。

　きのう行われた東京マラソンの話題でトーク。ユニホームに企業の名前がない藤原新選手には注目していたが無職で挑んだとは思わなかったと、田中雅子がコメント。来週の最終選考レースで好成績の選手が出なければ、川内優輝選手にもまだチャンスはあると小倉智昭が説明。

　東京マラソンで活躍した藤原新選手の経歴を説明。長崎県出身、拓殖大学卒業後、JR東日本に入社、2007年びわ湖毎日マラソンで2時間38分37秒、北京五輪では補欠。おととしからプロランナーになり、ナショナルトレーニングセンターで一人暮らしなど。

　きのう26日（2012年2月）に行われた東京マラソンで、ニューヒーローが誕生した。藤原新（30）はスポンサーなし、収入なし、たった１人の闘いで、日本人トップの2位。2時間7分48秒と自己記録を50秒以上も縮め、ロンドン五輪への切符をほぼ手にした。

　もう１人の話題のランナー、埼玉県庁の川内優輝（24）は途中の給水に失敗して脱落、12分台で14位とふるわず、こちらはロンドンは遠くなった。給水失敗なんて実業団なら考えられない。市民ランナーの孤独が見えた結果だった。

　3万6000人が参加した大会は、日本人のトップ選手には五輪代表への闘いだが、市民にはお祭り。さまざまな仮装で走るランナーがテレビカメラにアピールしていたが、そんな中、福島・南相馬市の桜井勝延市長（56）が見事完走して意地を見せた。

　藤原は異色だ。記者会見でも「カネ（賞金）に目がくらんで、もう必死でしたね」と笑わせたが、半ばは本音だったろう。「また2位かよというのがありますが、2位でも嬉しいです」と話す。そう、2位は初めてじゃない。

　2008年のこのマラソンでも2位で、北京五輪は補欠だった。翌年の世界選手権は61位、10年の東京マラソンは2位、11年は57位。1回おきの2位で、だから今年は「当りの年」となったのか。波瀾万丈は成績だけじゃなかった。

　長崎出身で拓殖大からJR東日本に入ったが、マラソンに専念したいと、10年に退社した。しかし、スポンサーがついたりつかなかったり…。ここ数か月はほとんど収入なし。自身は東京だが、妻子は富山に住む。今大会の「車のBMWと賞金400万円」は大きいわけである。

　練習もネットで海外の練習法などを実践している。ひとつの転機が昨年の暮れに女性に人気の「カーヴィーダンス」のトレーナー、樫木裕美さんから走る姿勢の矯正を受けたことだった。走る軸を調整して力みをとり、疲れないフォームを作ったという。

　レースの戦略も自分だ。この日も25キロ地点から早めにスパートをかけて、先頭集団のアフリカ勢を果敢に追い、残り1キロで前世界記録保持者ハイレ・ゲブレシラシエ（エチオピア）を抜き、さらに1人を抜いて2位でゴールした。優勝はケニアのマイケル・キピエゴ、藤原とは11秒差だった。

　その藤原が電話で答えた。

小倉智昭
　賞金は目標になっていた？

藤原
　ゲブラシラシエを抜いて3位以内とわかったときに、ちらりと…。

小倉
　3位が200万円、2位なら400万円ですからね。

藤原
　何秒かでそれだけ違うんなら、がんばりますね。

小倉
　BMWもでしょう。乗るところを思い浮かべていたとか。

藤原
　イメージしてました。

小倉
（カーヴィダンスは）効果はありましたか。陸上に取り入れたのは初めてですが。

藤原
　効果あります。

田中雅子（経営コンサルタント）
　ユニフォームに企業名がないので、どういう人なんだろうと思ったが、まさか無職だとは。

夏野剛（NTTドコモ元執行役員）
　個人の時代になるのかもしれない。

　カーヴィダンスも含めて、今度は実業団が取り入れることになるのか。その前にひとつ、川内選手に教えてあげて。