23日深夜放送、フジテレビ「すぽると!」では、『レーザーレーサーから4年 水着の「今」』と題し、2008年の北京五輪時には“魔法の水着”と呼ばれたspeedo社の競泳用水着=レーザーレーサーについて、その現状を、進化する水着とともに伝えた。
身体を締めつけることで水の抵抗を極限まで抑えた、レーザーレーサーが登場するや、北京五輪では世界新記録が23個も誕生、当時は大きな賛否をよんだ。だが、2009年の世界選手権では、レーザーレーサーを上回るといっても過言ではない、水をほとんど通さないラバー水着が登場。なんと約2週間で世界新記録が43個も塗り替わったのだ。
同番組にコメントを寄せる専門誌編集長は「かなり特異な大会だったと思います。200mバタフライって、すごい体力を要する種目で午前中の予選一発目でアメリカの選手で全然無名の女の子が世界記録を更新(デセンザ)しちゃった」、「割合でいったらレースの半分くらいで世界記録が出た」と振り返っている。
これにより、ラバー素材の禁止と、身体を覆う水着の面積に規定ができ、2010年の世界記録更新は0となった。それでも今回のロンドン五輪では、speedo社が水着・ゴーグル・キャップを総合的に設計し、全身の受動抵抗を軽減する3点セットを打ち出したり、アシックス社は生地の強弱で筋肉のブレを軽減する水着を出すなど、メーカーの創意工夫は続いている。ただし、水着に依存した異常な時代は終わり、いよいよ選手の真の実力が競われる時代に戻りそうだ。
(2012/02/25 サーチナ「“異常な時代”の終焉、レーザーレーサーの今とは」より)
日本人は作為を嫌う傾向が強い。それは競泳水着にもあてはまる。泳ぐことを不作為とし、水着を作為とする。だから「水着に依存した異常な時代は終わり、いよいよ選手の真の実力が競われる時代に戻りそうだ」といったような見方も生まれるのだろう。