飛行禁止 半径3km 福島原発 上空から撮影
おととい、福島第一原発上空の飛行禁止区域が半径20kmから半径3kmに縮小された。共同通信撮影の映像では、鉄骨が剥き出しになった原子炉建屋や汚染水を保管するタンクの様子、打ち上げられたままの漁船などが映し出された。
福島第一原発上空からの映像についてトーク。小倉智昭がきのう石巻と女川町を訪れ、がれきの片付けは順調に進んでいるが、そこから先がまったく進んでいない状況、福島では避難区域になっている原発周辺は手付かずになっているとコメント。
福島第1原発の飛行禁止区域が25日(2012年2月)、これまでの20キロから3キロに縮小された。これを受けて共同通信のヘリがきのう26日(2012年2月)、周辺を飛んだ。3キロからでも原発の惨状が実によく見える。
4基並んでいる原発で、形がわかるのは先にカバーが取り付けられた1号機と2号機だけ。3号機は上部が丸裸、4号機も原子炉格納容器の頭の部分が見えていた。鉄骨はぐしゃぐしゃだ。建屋のまわりにはクレーンが林立し、収束作業が続いていることがわかる。原発西側の地区には、灰色や青の汚染水貯蔵タンクが約1000基が並ぶ。この11か月間に、国民の目に触れないままに作られていたものだ。作業量としては、団地をいくつか作るくらいの大工事である。
原発の北側数キロの集落は津波で襲われたまま。家はさらわれ、町並みは消え、あちこちに船が打ち上げられている。それがさらに雪に覆われていた。むろん人影はない。他の被災地では復興が進んでいるが、ここは「あのとき」のままだ。折りに触れ、断片的には伝えられた光景だが、間近に上空から見ると、たしかに凄まじい。
これが見られなかったのは飛行禁止のためだ。事故後当初30キロだったものが5月に20キロになりそのままだった。この間、メディアは羊のようにおとなしく規制を守った。しかしこの光景はどれも事故直後にこそ見たい、また見せなければならないものではなかったか。見せなかったのは誰の判断なのか。メディアもまた「飛ばせろ」とはいわなかった。
司会の小倉智昭はきのう石巻と女川町に行ったという。「がれきの片付けは進んで、ただ集積所にあるんですが、そこから先が全く進んでない。原発周辺は避難区域だから立ち入りもできない。がれきもそのままなんですよね」
夏野剛(NTTドコモ元執行役員)
1年近くも経って何も進んでないというのはショックですよね。
田中雅子(経営コンサルタント)
こんなになっちゃったのかと想像はしてたが、現実を突きつけられた感じ。
これだから見せないといけなかったのだ。地上をバスで走って断片的な映像を見たってわかるものか。飛行禁止をかけた方も問題だが、それに文句をいわなかったメディアはもっと罪が深い。また、それに気がついているのかどうか。その方も心配だ。
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