アジア各国が原子力の平和利用について話し合う「アジア原子力協力フォーラム」の各国代表ら約40人が17日、福島県南相馬市の農業学習施設「ハートランドはらまち」を訪れ、日本原子力研究開発機構が進めている森林の除染作業を視察した。
代表らは、原子力機構の担当者から説明を受けながら、作業員が除染作業で生じた土を袋に詰め込む様子などを見学。
オーストラリア原子力科学技術機構のロナルド・ハッチングス氏
非常に複雑なプロセスになる。時間をかけて効果を確かめていく必要がある。
野田佳彦首相は十六日の記者会見で、東京電力福島第一原発事故による放射性物質の除染について政府として全力で取り組む考えを表明した。
野田佳彦首相
当面の費用として一兆円を超える額を用意している。作業員など早急に教育体制を整備し、四月をめどに三万人以上を確保する。
現在の避難区域の見直しに関しては「政府の考え方を近く示す」と明言。十八日に細野豪志原発事故担当相、枝野幸男経済産業相ら関係閣僚が福島県を訪問して地元自治体と協議し、最終調整に入る考えを示した。
放射線量の高い民有地については、国が買い上げるか借り上げるという政府方針を念頭に述べた。
野田佳彦首相
相当の期間、帰宅が困難になる区域が明らかになった場合、国として責任をもって中長期的な対応をしなければならない。
また、首相は賠償問題に関連し、東京電力の実質国有化についても述べた。
野田佳彦首相
あらゆる可能性を念頭に置いて来春までに議論を集約する。
(MSN産経ニュース「【放射能漏れ】森林除染を視察 アジア会議の参加者ら」より)
(東京新聞「除染に1兆円、3万人:政治」より)