内閣府が自殺対策強化月間(3月)用に作ったキャッチフレーズ「GKB47宣言!」に参院予算委員会で｢待った｣がかかった。野田首相も｢見た瞬間、私も違和感を覚えた｣と見直しの考えを示したが、「朝ズバッ！」では、違和感を強く感じ必要があるのは、標語よりも年間3万人以上の自殺者を出している現実だと、実に真っ当な指摘が相次いだ。
「GKB47 !宣言」のGKBとは「Gatekeeper Basic」の略で、自殺を思いとどまらせる医師や支援者の｢門番｣をベースに47都道府県に自殺防止の輪を広げていこうという宣言。強化月間に向けてポスターや広告の予定ですでに動き出している。
ところが、自殺対策に取り組む民間団体が｢GKBは若者の間でゴキブリを意味する｣などと抗議。これを民主党議員が6日（2012年2月）の予算委で取り上げた。
司会のみのもんた
ウーン、なんでいけないの。小さい子供までが『おや、AKB48に似ているね』と関心を持つことの方が大事。ボクはそう取りましたよ。しかめっ面して、よくわからない言葉を使うよりこの方がいい。バカにしているとは思わない。
TBS解説室長の杉尾秀哉
自殺で身内を亡くしたご遺族の会とかが、軽く見られていると反発をされている。ただ、そう面はあるかもしれないが、考え方自体はすごく大切で、毎年3万人以上の人が自殺しているのは異常ですよ。人権問題です。
スポーツプロデューサーの三屋裕子
南アフリカに行った時に、怖いところだと思って地元の人に聞いたら、『日本の方がもっと怖い』って。なぜかと聞くと、『何もしないのに年間3万人以上の人が亡くなる国はおかしいよ』って。
東京工科大教授の尾崎弘之
標語だけ作ったり、天下り先をつくっただけでは…。本当に効果あることやって欲しいですね。
消費税増税一本やりの野田政権だが、増税が実施されれば、自殺の背景にある沈滞する経済がさらに沈み、自殺者が増えてもおかしくない。みのもんたは閉塞感からの打開策はそっちのけで、標語うんぬんの国会論戦は本末転倒と言いたかったのかも…。
(2012/2/7 J-CASTテレビウォッチ「「GKB47」反発…年間3万人の『自殺大国』にこそ違和感」より)
南アフリカに行った時に、怖いところだと思って地元の人に聞いたら、『日本の方がもっと怖い』って。なぜかと聞くと、『何もしないのに年間3万人以上の人が亡くなる国はおかしいよ』って。(スポーツプロデューサーの三屋裕子)
南アフリカ人も日本は怖い国らしい。ちなみにアメリカは凶悪犯罪が多くて怖いという日本人は多いが、アメリカにおける犯罪による死亡者は一万三千人強である。日本での自殺死者者の半数にも達していない。きっとアメリカ人も「日本は治安が良く、国民も礼儀正しいが、怖い国である」とするに違いない。
その世界一怖い国日本では、政府官僚は「GKB47 !宣言」のGKBとは「Gatekeeper Basic」の略で、自殺を思いとどまらせる医師や支援者の｢門番｣をベースに47都道府県に自殺防止の輪を広げていこうという宣言し、それに対して自殺対策に取り組む民間団体が｢GKBは若者の間でゴキブリを意味する｣などと抗議を行い、これを民主党議員が6日（2012年2月）の予算委で取り上げる体たらくである。言葉遊びにうつつを抜かしている暇などないだろう。
こうした言葉遊びが出てくるのは、現実を見たくないという心理の表れだろう。日本には言霊というものが存在しているらしい。その言霊の最大の効用は。現実から目をそらすことだからだ。確かに自殺した原因に同級生からの讒謗があるとは報道でよく聞く話である、もしかするとゴキブリというあだ名ないしはゴキブリ呼ばわりされ、それらが苦になって自殺したなどということもあり得るかもしれない。しかし、そのことと、その言葉及びそれを連想させる行為の一切に蓋をしても自殺者が減るわけではない。