オリンパスの粉飾決算事件で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪に問われた同社元社長、菊川剛被告(72)ら3人と法人としての同社に対する判決公判が3日、東京地裁であった。斉藤啓昭裁判長は菊川元社長に懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。
同社元副社長、森久志被告(56)は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役4年)、同社元監査役、山田秀雄被告(68)は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役4年6月)。法人としての同社は罰金7億円(求刑罰金10億円)とした。
3人はいずれも起訴内容を認め、量刑が争点だった。
検察側は論告で「損失の簿外処理などの不正会計は菊川元社長の主導の下、山田元監査役ら当時の財務担当役員らが実行した。粉飾は組織的で計画的」と強調。「海外ファンドを利用して損失を処理するなど手口も巧妙で、日本の証券市場の信頼を揺るがせた責任は重い」と主張した。
これに対し、弁護側は「真摯に反省し、社会的制裁も受けている」として執行猶予付きの判決を求めていた。
起訴状によると、3人は指南役だった野村証券OBらと共謀。損失穴埋めに利用した国内3社と英医療機器メーカー買収に伴うフィナンシャルアドバイザー報酬などをのれん代として、2007年3月期〜11年3月期に架空計上し、年度ごとの連結純資産額を約416億〜約1178億円水増しした有価証券報告書を提出したとされる。