ある物事を遂行するとき、それに対する双方の認識が一致していることが、それへの実施計画(具体的手順)を作成できる大前提である。「嘉手納基地より南にあるアメリカ軍施設の返還計画」においては、双方が辺野古移設を念頭に置いてこそ、実施計画(具体的手順)は作成できるはずだ。それに関して沖縄側と政府側では一致していない。それなら実施計画(具体的手順)は作成しようがない。だから、それへの説明はできない。この情況で仲井真知事とアメリカ軍基地を抱える7人の市町村長は上京した。
安倍総理大臣は、沖縄県の仲井真知事らと総理大臣官邸で会談し、仲井真知事が、日米両政府がまとめた嘉手納基地より南にあるアメリカ軍施設の返還計画について、具体的な返還の手順などの説明を求めたのに対し、安倍総理大臣は「地元と相談しながら円滑に進めていきたい」と述べました。
会談には、沖縄県の仲井真知事のほか、アメリカ軍基地を抱える7人の市町村長らが同席しました。この中で、仲井真知事らは、日米両政府がまとめた嘉手納基地より南にあるアメリカ軍施設の返還計画について、具体的な返還の手順などを詳しく説明するとともに、計画の実施に当たっては、県や市町村から意見を聴く場を設けるよう要請しました。
さらに、アメリカ軍普天間基地に配備されている新型輸送機、オスプレイについて、日米両政府で取り決めた運用についての合意事項が守られておらず、県民の不安が払拭されていないとして、配備を中止するよう求めました。
これに対し、安倍総理大臣は「返還については、地元の皆様と相談しながら円滑に進めていきたい」と述べたほか、オスプレイについて、「住民の安全を守る観点から運用は行われるべきだ」と述べました。
会談のあと、仲井真知事は「安倍総理大臣からの回答は、あまり具体的ではなかった。『基地の負担軽減には努めたいが、相手のあることなので、交渉しながらやっていきたい』ということだった」と述べました。
沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事と在日米軍基地を抱える市町村の首長らが12日、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、要請書を手渡した。安倍政権は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に向け移設先の埋め立てを県に申請したが、要請書では「負担の認容は限界に達している。県外移設・返還の加速化を」と記した。
普天間に昨年配備された米軍機オスプレイについては「(飛行ルールの)日米合意が守られない例が認められ、県民の不安が払拭されない」と指摘。今夏に予定される追加配備の中止や配備先の分散を求めた。
4月に日米両国がまとめた嘉手納より南の基地返還計画では地元への説明が不十分だと主張。返還の前提となる基地内施設の県内移転について、施設の内容や移転先を具体的に示すよう求めた。さらに日米で詳細な返還計画を作る際に、県や市町村の意見を聞く場を設けることを提案した。
要請に対し、首相は「オスプレイは日米合意の中でしっかりと住民の安全を守る観点から運用が行われるべきだ」と強調。嘉手納以南の基地返還では「みなさまと相談しながら円滑に進めていきたい」と述べ、県側の意見を聞く場の設置に前向きな考えを示した。
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去年までは煩いとしか感じなかった。でも最近、野嵩・普天間の住民が『負担の認容は限界に達している』ことを実感し、ストレス解消のためにもエイサーの練習は昼夜問わずやるべきだと思うようになった。仏心でも芽生えて来たのだろうか?(笑)
主に日本語の読解力のあり方の問題だと思うが、条約に基づけば米軍機オスプレイが飛行ルールの日米合意が守らない状態が起こることはない。「できるだけ、こうする」と日米で合意したことが守れない状況では「アメリカ軍の裁量」とされているのだから、これをアメリカ軍が守れないはずがない。
沖縄側は『日米で詳細な返還計画を作る際に、県や市町村の意見を聞く場を設けることを提案した』らしいが、それにはやはり県内移設を県側が了承することが大前提であることは万人の認識することだと思う。返還内容が異なる両者が、返還計画を作成することなどできるわけがない。だからこそ首相も『「みなさまと相談しながら円滑に進めていきたい」』と述べるにとどまり、そのうえで『県側の意見を聞く場の設置に前向きな考えを示した』のだろう。