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米中、攻防8時間 外交・経済で対立と協調を演出

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 米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席が2日間にわたる首脳会談を終えた。8時間にも及んだ長時間のトップ協議で米中が探ったのは「新しいタイプの大国関係」。沖縄県尖閣諸島や北朝鮮への圧力などで、米中という2つの超大国は「対立と協調」を演出した。

■対立

 尖閣諸島を巡る問題はかなり長い時間をかけて議論された。「争いをエスカレートさせるべきではない。行動ではなく、外交的な対話が必要だ」。レーダー照射事件など、中国の挑発行為にくぎを刺す意味から、オバマ大統領は対話を求めた。

「国家の主権と領土を断固として守る」。習主席は南シナ海でのフィリピンなどとの領有権問題に言及したうえで、こう強調した。さらにオバマ大統領に反論して「中国は対話による解決を求めている」と主張。まずは日本などが挑発行動をやめるべきだと語った。

 自制を求める米国と、あくまで領有権を主張する中国の議論は平行線をたどった。アジア重視を掲げるオバマ政権はアジア太平洋地域での影響力を維持したい考え。日本が訴える尖閣問題をあえて議題に取り上げたのはその表れだ。東・南シナ海で周辺国の威嚇を続ける中国が、自制的な行動を取るかどうかが今後の注目点となる。

■牽制

 国際経済と国際政治の両方が絡んだ問題が環太平洋経済連携協定(TPP)だ。世界2位の経済大国を自負する中国としては、TPP交渉でアジア太平洋や世界の貿易自由化ルールが決まるのを黙って見ているわけにはいかない。

 首脳会談で習主席はオバマ氏に「TPP交渉の進展に合わせた情報提供」を求めた。中国にはTPP交渉に早期に参加する意図はない。いわば、米国が主導する自由貿易圏づくりへの「けん制」だ。米国も条件を満たせばTPPへの参加は拒まないとして中国の求めに応じた。

 実は、中国が本格的にTPPの研究を始めたのはつい最近。訪米を控えた習主席周辺からの号令によって、商務省などがいきなり詳しい資料作りを迫られ、四苦八苦した様子がうかがえる。「国際政治的な側面からのTPP研究」(中国関係者)といえ、今後もTPPが米中の駆け引きの材料になるのは間違いない。

■協調

「(対北朝鮮政策の)原則的な立場と全体的な目標で米中は一致している」。首脳会談後、中国の楊潔●(ち)国務委員は記者会見でこう語った。従来、北朝鮮への配慮を優先してきた中国としては踏み込んだ発言といえる。米中両首脳は、核実験を強行した北朝鮮の非核化の必要性や、国連の制裁決議の完全な履行で一致。米中の協調をアピールした。

 もっとも、これから先は難しい。中国はすでに北朝鮮の銀行口座の凍結などを実施しており、これによって自らの国際的な責任は果たしたという立場を取る。首脳会談で習主席は北朝鮮に核を放棄させるため、米国の貢献を要求したとみられるが、米国が北朝鮮に現在の金正恩(キム・ジョンウン)体制の維持を保証するのは極めて困難だ。北朝鮮問題の行方が見えるまでにはなお時間がかかる。

















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