米国際貿易委員会(ITC)は4日、米アップルが韓国サムスン電子の特許1件を侵害したと認定した。スマートフォン(スマホ)など旧型のアップル製品の一部を対象に、米国への輸入や販売を禁止する。アップルはITCの判定を不服として連邦裁判所に上訴するとみられ、最終決着には時間がかかる見通し。対象はすべて旧型機種のため、販売面の影響は軽微とみられる。
4日付のITCの最終決定通知書によると、特許侵害を認定したのは、アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)4」「3GS」「3」の3機種のうち、米通信大手のAT&Tが販売したモデル。タブレット(多機能携帯端末)の「iPad(アイパッド)」では、初代モデル「iPad3G」と2代目「iPad2 3G」のうち、AT&Tの通信網を利用する2機種。いずれも販売を終了したか、最も古い機種だ。
サムスンは2011年8月、アップルがサムスンの通信技術特許4件を侵害したとして、ITCに提訴した。今回の決定で、ITCは4件のうち1件で特許を無効とし、残る3件のうち1件についてアップルの侵害を認めた。
韓国サムスン電子は5日、今回の決定について「アップルによる当社特許の無断使用を認定したものであり、今後も自社の知的財産権を守るために最善を尽くす」とのコメントを発表した。
今後は米オバマ大統領が拒否権を発動しなければ、ITCの判断が確定する。アップルは連邦裁判所に上訴するとみられる。連邦地裁で継続中の他の訴訟と併せて、最終的な決着にはなお時間がかかるもよう。
ITCは12年9月、サムスンが主張する4件の特許のうち、1件について無効と判断。残る3件はアップルの特許侵害を認めず、サムスン側の主張を退けていた。