3連休明け28日の米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前週末比106ドル29セント(0.7%)高の1万5409ドル39セントで終えた。1週間ぶりに過去最高値を更新した。この日の日欧株式相場が上昇した流れが波及した。米景気の回復基調を示す経済指標も好感した。ダウ平均の上げ幅は210ドルを超える場面があった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発。前週末比29.75ポイント(0.9%)高の3488.89となった。機関投資家が運用指標として重視するS&P500種株価指数も4日ぶりに反発した。
前週から乱高下が続いていた日経平均株価が28日は反発して終えた。欧州市場ではドイツ株式指数(DAX)が続伸するなど世界的に株高の流れが強まり、米国市場でも買い安心感につながった。
朝方発表の3月の米S&Pケース・シラー住宅価格指数で全米20都市の指数が前年同月比で約7年ぶりの大きな伸び率となった。5月の米消費者信頼感指数は2008年2月以来、5年3カ月ぶりの水準に上昇した。いずれも市場予想を上回り、米経済の回復基調を改めて確認したことも相場の押し上げにつながった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「エネルギー」や「金融」を中心に8業種が上昇。「電気通信サービス」と「公益事業」が下げた。電力会社など高配当株が多い公益関連株は、米長期金利の上昇で相対的な投資の魅力が落ちたことが嫌気されたもよう。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億3000万株(速報値)、ナスダック市場は約17億株(同)。
マイクロソフトや医療保険のユナイテッドヘルス・グループの上げが目立った。高級宝飾品のティファニーが高い。四半期決算で減益予想から一転して増益を確保したことを好感した。
カナダの製薬会社バレアント・ファーマシューティカル・インターナショナルは大幅高。コンタクトレンズ大手の米ボシュロムを総額87億ドル(約8800億円)で買収すると発表。業績拡大期待から買いが入った。
一方、クルーズ船運営のロイヤル・カリビアン・クルーズが下げた。航行中のクルーズ船で火災事故が発生したのを嫌気した。
通信大手のAT&Tや日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も下げた。