世界卓球選手権個人戦第5日は17日にパリで行われ、男子ダブルス3回戦で日本ペア同士の対決があり、丹羽孝希(明大)松平健太(早大)組と2009年大会3位の水谷隼(ビーコン・ラボ)岸川聖也(スヴェンソン)組が8強入りを懸けてぶつかる。張一博(東京アート)松平賢二(協和発酵キリン)組も登場。
女子ダブルス3回戦には、福原愛(ANA)平野早矢香(ミキハウス)組、石川佳純(全農)森薗美咲(日立化成)組、藤井寛子、若宮三紗子組(日本生命)が出場。
卓球の世界選手権個人戦第4日は16日、当地で行われ、男子シングルス2回戦で世界ランキング58位の松平健太(早大)が2008年北京五輪金メダリストの馬琳(中国)を4−1で破る番狂わせを演じ、3回戦に進んだ。丹羽孝希(明大)岸川聖也(スヴェンソン)張(ちゃん)一博(東京アート)も勝ったが、高木和卓(東京アート)は敗れた。
同ダブルスは水谷隼(ビーコン・ラボ)岸川組、張・松平賢二組、丹羽孝希(明大)松平健組の3ペアが3回戦に進んだ。
女子シングルス3回戦でロンドン五輪4位の石川佳純(全農)は世界ランク44位のリ・ミョンスン(北朝鮮)に0−4で屈し、平野早矢香(ミキハウス)はロンドン五輪金メダルの李暁霞(中国)にストレート負け。17歳の松平志穂(大阪・四天王寺高)藤井寛子(日本生命)も敗れ、この種目の日本勢は敗退した。
2009年横浜大会では惜敗した馬琳をついに世界選手権で攻略した。松平健が08年北京五輪王者をねじ伏せる金星。雪辱を期す気迫や冷静な戦術、ベンチワークの全てがかみ合い、日本が掲げた目標の「BEAT・CHINA」(打倒中国)を実現した。「リベンジしたい気持ちがプレーに表れた」と喜んだ。
馬琳のフォアの強打を封じるため、徹底的にバックを狙った作戦が的中した。しゃがみ込みサーブも立つ位置や回転を変えながら的を絞らせず、好機と感じた場面では無理な体勢でも攻めた。持てる技術を注ぎ込み、出だしで3ゲーム連取した。
3度のマッチポイントを握った第4ゲームで12−14と競り負け、第5ゲームの5−3の場面。男子の倉嶋監督がタイムを取り、流れを渡さなかった。迷いが出ていたレシーブを「短くフォア側に出せ」と指示。松平健は「自分の考えと一致した」と7−3に差を広げ、息の根を止めた。
15歳だった06年の世界ジュニア選手権で金メダル。その後伸び悩み、ロンドン五輪出場を逃したが、この1年で苦手の体力強化に取り組んだ成果が実を結んだ。挫折を経験して成長した天才少年が、大仕事をやってのけた。
■石川佳純の話「相手がミスをしてくれないので焦ってしまった。変化が多いカットに対してミスが多く出て、あらためて(カット選手が)大きな課題だと感じた」
■平野早矢香の話「(ロンドン五輪金メダリストの)相手が強かった。勝つイメージを持って戦ったが、難しかった。初めから押されてしまった」
■松平志穂の話「1ゲームは取りたかったけど、全くミスをしてくれなかった。何本打っても返ってくるので(ロンドン五輪銅メダリストは)全然違うなと思った」