内閣府が17日発表した3月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比14.2%増の7931億円だった。増加は2カ月連続で、増加率は遡れる2005年4月以来最大だった。円安進行を背景に生産環境が改善した製造業などが設備投資を増やす動きが出たとみられる。
3月実績は日経グループのQUICKが16日時点で集計した民間エコノミストの予想(2.5%増)を大きく上回る結果となった。
製造業が前月比13.3%増、非製造業が14.3%増といずれも2桁の伸びとなった。業種別にみると、製造業では石油製品や一般機械、非製造業では金融業や情報サービス業などが全体の数字を押し上げた。円安で製造業中心に先行きの生産環境に明るさが出てきたことに加え、設備投資を見送っていた分が年度末の3月にまとめて出やすい要因もあったもよう。
一方、1〜3月期の累計実績は1月に大幅減となっていたことから、前期比ほぼ横ばいにとどまった。内閣府は4〜6月期の受注見通しも1.5%減と小幅のマイナスを見込んでいる。業種別に見れば、製造業の受注は0.8%増と11年7〜9月以来7四半期ぶりのプラス転換を見込む。内閣府は製造業を中心に「明るい兆しが見えてきた」とみる。ただ機械受注の基調判断については「緩やかな持ち直しの動きがみられる」と前月から据え置いた。