パレスチナ自治政府のアッバス議長とイスラエルのネタニヤフ首相が、同時に中国を訪問しています。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日に北京入りし、人民大会堂で習近平国家主席と会談しました。会談では、中東和平交渉の再開に向けた働きかけを行ったもようです。一方、イスラエルのネタニヤフ首相は6日、上海に入り、8日には北京で李克強首相との会談が行われる予定です。
中国は長年、パレスチナやイラン、シリアなど中東諸国と深い関係を保っていますが、ここ数年はこれらと対立するイスラエルとも、安全保障や経済面での関係を急速に強めています。中断している中東和平交渉の再開の機運が高まりつつある中、両者に太いパイプを持つ中国は、同じ時期に双方のトップを招くことで外交的影響力を世界に示す狙いもあるとみられます。
イスラエルのネタニヤフ首相は7日までに、ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植住宅の新規入札を凍結するようアリエル住宅建設相に指示した。イスラエル軍放送が伝えた。
占領地での入植活動は国際法違反で、パレスチナ側は活動の全面凍結を2010年秋以降中断しているイスラエルとの和平交渉再開の条件としている。ケリー米国務長官は3月のオバマ米大統領のイスラエル訪問を皮切りに、集中的に中東を訪問してイスラエル・パレスチナ両首脳と会談した。
イスラエルは、3月下旬にもパレスチナ自治政府への送金凍結を解除するなど、交渉再開に向けた米国の仲介努力に配慮する動きを見せている。