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東北新幹線、震災時の脱線原因は「共振」 運輸安全委‐脱線したメカニズム

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 東日本大震災の発生時、仙台市内を試験走行中の東北新幹線が脱線する事故があり、国土交通省運輸安全委員会は22日、地震の揺れに新幹線の高架橋が共振して大きく揺れ、脱線したとする調査報告書を公表した。安全委は再発防止に向け、高架橋の振動の調査や共振対策を取るよう求めた。

 安全委によると、11年3月11日午後2時47分ごろ、仙台市の車両基地から仙台駅に向かっていた10両編成の車両が時速72キロで走行中、運転士が強い揺れを感じ非常ブレーキをかけた。

 地震検知システムにより自動ブレーキも作動したが、4両目前側が脱線。乗車していた運転士ら社員13人にけがはなかった。脱線時は時速14キロまで減速していた。

 余震の観測やコンピューターシミュレーションの結果、高架橋が0・6秒周期の揺れに共振し、振動が増幅することが判明。発生当時も同じ周期の揺れがあったとみられ、車輪が左右に激しく揺れ、レール面に滑り上がるような形で脱線したと結論付けた。

 04年10月の新潟県中越地震で、同県長岡市を走行中の上越新幹線が脱線した際は、大きく車体が揺れて車輪が浮いたのが原因だった。


 東日本大震災で東北新幹線が脱線した事故で、地震の揺れが高架橋で増幅される「共振」が起きていたことがわかった。運輸安全委員会が22日、事故報告書を公表して明らかにした。従来の地震では想定されていない現象で、運輸安全委は鉄道各社などに再発防止のための研究や技術開発を促した。

 事故は2011年3月11日の地震発生直後、仙台駅の北約1キロの高架橋で発生した。10両編成の試験列車が時速約70キロで走行中に、揺れを感知して自動停止したが、4両目の車輪四つが脱線した。乗っていたJR東日本の職員13人にけがはなかった。

 橋や建物には揺れやすい周期(固有周期)があり、地面の揺れと固有周期が重なると共振が起きて、だんだん揺れが大きくなる。運輸安全委は事故後、現場に地震計を設置し、余震を観測して揺れ方を調査。この高架橋は約0・6秒に1回揺れる周期の地震波で共振が起きるとわかった。

 現場近くの仙台駅で震災時に観測した地震波のデータを使い、震災当時の高架橋の揺れと車両の動きを計算。揺れ始めから約60秒後に高架橋の揺れ幅が極端に大きくなり、車両が左右に振られて車輪がレールを滑り上がり、脱線したとみられるという。

 新幹線の地震による脱線事故は2件目。2004年の新潟県中越地震では上越新幹線が脱線したが、直下型ですぐに揺れが大きくなり、共振の影響は分析されなかった。運輸安全委は今回の結果を受け、共振の起きやすい場所の特定や、共振が大きくなりにくい技術の開発を求めた。

 JR各社は中越地震の後、揺れを抑えるための橋脚の耐震補強や、脱線してもレールを大きく外れないようにガードを設置するなどの対策を取ってきた。東日本大震災では新幹線の脱線が1件だけだったことから運輸安全委はこれらの対策は有効だったと認めた。






















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