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五輪レスリング除外へ オリンピックはアスリートたちの祭典ではなく、それを見る人たちの祭典!

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 国際オリンピック委員会(IOC)は12日、スイス・ローザンヌで開いた理事会で、昨夏のロンドン五輪で実施した26競技のうち、レスリングを除外することを決めた。レスリングは次回2016年リオデジャネイロ五輪(ブラジル)では実施されるが、東京都が招致を目指す20年五輪からは行われない公算が大きくなった。

 IOCは、夏季五輪の26の「中核競技」を、20年五輪から25に減らす方針を決めていた。中核競技から外れると、IOCが五輪活性化のために進める実施競技入れ替えの対象となる。

 20年五輪では25の中核競技に加え、ゴルフと7人制ラグビーも実施される。IOCは5月の理事会で、さらに追加する候補として、野球・ソフトボール、空手、スカッシュなどにレスリングを加えた8競技を検討し、いくつかに絞る。9月の総会で、このうちの1競技を実際に採用するかどうかを決めるが、今回外れたレスリングがすぐに復活する可能性は低い。

 レスリングは、近代五輪最初の大会だった1896年アテネ五輪から男子が実施されている伝統ある競技。2004年のアテネ五輪から採用された女子では、55キロ級の吉田沙保里、63キロ級の伊調馨の両選手(ともにALSOK)がロンドン五輪で3連覇を達成するなど日本がメダルを量産してきた。

<中核競技> 
 2007年のIOC総会で導入が決まった制度で、選ばれた競技は組織の腐敗などがない限りは除外されず、優先的に五輪で実施される。実施競技の上限は28。中核競技以外にも、大会ごとの追加枠で採用される「その他の競技」がある。


 昨夏のロンドン五輪で、日本が獲得した金メダル7個のうち4個がレスリング。そのお家芸が、東京都が招致を目指す2020年五輪の実施競技から外れることがほぼ確実になった。国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、どのように決められたのか。

 理事会は12日午前、ローザンヌのホテルで非公開で行われた。理事会に出席できるロゲ会長と4人の副会長、10人の理事の計15人全員が顔をそろえた。

 カルシュミット理事(グアテマラ)によると、会議ではまず、事前にプログラム委員会が各理事に配布した全26競技の報告書について検討した。報告書は、ロンドン五輪でのテレビ視聴率やチケットの売り上げ、反ドーピングへの取り組みや競技の世界的普及度など36項目について、26競技ごとに分析したものだ。

 報告書を基にした話し合いを経て、「中核競技」から外れる候補としてレスリング、近代5種、ホッケー、カヌー、テコンドーの5競技が残ったという。無記名の投票で、最後にレスリングの除外が決まった。

 除外される可能性が指摘されていた「本命」は近代5種で、「対抗」はテコンドーだった。近代5種は競技人口の少なさ、テコンドーは判定のわかりにくさなどが指摘されていた。

 それが、なぜレスリングになったのか。IOCから正式な発表はないが、ある理事は「第1回近代五輪から実施され、伝統があるレスリングの関係者は危機感がなかった」と話す。これまで、フリーとグレコローマンの二つの種別のうち、グレコローマンは除外の候補に挙がったこともあったが、競技自体は話題にあがらなかった。理事会の会場となったホテルに、レスリング関係者がロビー活動している様子はなかった。

 理事会後、国際近代五種連合の副会長であるサマランチジュニア理事(スペイン)は「昨日、私が言った通りだ。まだ私たちは死んでいない。努力をつづけるとね」と得意げに話した。

 カルシュミット理事は世界テコンドー連盟の倫理委員長を務める。「テコンドーはロンドン五輪での評価は高く、加盟国・地域数も200を超す」と話す。

 IOCの内情に詳しい五輪招致のコンサルタントの一人は「理事会内部で積極的にロビー活動をできる人物がいた競技は強かった」と背景を説明した。理事会メンバー15人の中に、レスリング出身者はいない。


 国際レスリング連盟は12日、IOC理事会の決定に対するコメントを公式ホームページ上に掲載した。「非常に驚いた。古代五輪や近代五輪の創設時から実施された競技に対して異常な決定をしたIOC理事会と委員を、必要なあらゆる手段をもって説得する」と表明。16、17日にタイで会議を開き、5月のIOC理事会に向けた対応策を話し合うとしている。

長野修士全日本テコンドー協会常務理事
 私たちも外れるんじゃないかという不安があった。世界連盟や韓国の協会はIOCに直談判したと聞いているし、ルール改正にも取り組んできた。レスリングと聞いてびっくりしている。

横田博之日本ソフトボール協会事務局長
 人ごとではない。同じ境遇になったものとして、心を痛める。(追加候補の)ライバルになるとか、影響があるという次元ではない。


■実施競技決定の流れ

2月 
 IOC理事会で、2020年五輪で実施する競技を議論。ロンドン五輪実施26競技からレスリングが外れた。16年リオ五輪から加わる7人制ラグビー、ゴルフと合わせ、20年五輪で必ず実施される27競技が決定

5月 
 IOC理事会で、新しい7競技とレスリングの計8競技を、20年五輪で追加実施する候補として検討し、候補数を絞る

9月 
 IOC総会で、追加実施候補のうちどれか1競技を、20年五輪で実際に採用するかどうかを決定


■ロンドン五輪で実施された26競技

 陸上、水泳、サッカー、テニス、ボート、ホッケー、ボクシング、バレー、体操、バスケット、レスリング、セーリング、重量挙げ、ハンドボール、自転車、卓球、馬術、フェンシング、柔道、射撃、近代5種、カヌー、アーチェリー、バドミントン、テコンドー、トライアスロン

(リオ五輪では、ゴルフと7人制ラグビーを加えた28競技を実施予定)

■2020年五輪から新たに採用される競技の候補

◆野球・ソフトボール
◆スカッシュ
◆ウエークボード(水上スキー)
◆空手
◆武術
◆スポーツクライミング
◆ローラースポーツ

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 オリンピックはアスリートたちの祭典ではない。それを見る人たちの祭典である。多くの人はテレビなどで観戦する。だから祭典に参加させるに相応しい競技か否かは視聴率で決まるはずである。それに次ぐのがチケットの売り上げである。レスリングは人気がなかったのだろう。

 テレビなどの観戦で、その放映権の大半はアメリカのメディアが握っている。彼ら好みの競技が祭典に相応しい競技となっても不思議ではない。レスリングはアメリカ人好みではない。一方、20年五輪から新たに採用される競技の候補を見ると、すべてアメリカ人好みの競技である。有力なのはスカッシュと武術ではないだろうか。




























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