「このミステリーがすごい!」2012年版海外編(宝島社)第1位、「ミステリーベスト10」2011年海外部門(週刊文春)第1位、「ミステリが読みたい!」2012年版海外編(早川書房)第1位、と史上初の3冠を成し遂げたデイヴィッド・ゴードンのデビュー作「二流小説家」(早川書房)が映画化されることが決定!
このほど、本作で映画初主演を務めることとなった上川隆也から、喜びのコメントが到着した。
4人の女性を殺害、それぞれの頭部を切断し花をあしらえた写真を警察に送り付け、日本中を恐怖に陥れた凶悪な連続殺人事件から12年。死刑囚として刑務所で刑の執行を待つ呉井大悟は、エロ本の連載を細々と続ける売れない小説家・赤羽一兵に奇妙な交換条件を持ちかける。「告白を聞き暴露本を出版する権利と引き換えに、オレのためだけに官能小説を書け」と…。
原作は日本での史上初三冠だけでなく、本場アメリカでは“ミステリー界のアカデミー賞”と呼ばれる、世界一権威のある「アメリカ探偵作家クラブ賞」の2011年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にノミネートしたミステリー小説の新たなる金字塔だ。
原作ではニューヨークであった舞台を日本へと移し、官能小説と引き換えに犯罪者の独白を執筆するというなんとも奇妙な物語を描く本作。今回、主人公となる二流小説家・赤羽に抜擢された上川さん。「小説を読了して本を閉じたとき、これを原作とした作品が、自分の初主演映画になるのだと、身の震える思いがしました」と喜びのコメント。
さらに「邦題の通り、うだつの上がらない二流の小説家が主人公ですが、原作の“海外ミステリー初の三冠”に負けない、“一流のエンターテインメント”として映画もお届け出来る様に、全力で取り組みたいと思います」と気合も十分のようだ。
脚本チームには、『臨場 劇場版』の尾西兼一と『しあわせのパン』の三島有紀子。すでにクランクインし、撮影は2月中旬まで続くとのこと。共演者などまだまだ謎の多い本作だが、期待感は高まるばかりだ。
『二流小説家 -シリアリスト-』は今年6月の公開を予定。
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原作「二流小説家」のあらすじ
【登場人物】
・ハリー・ブロック
売れない作家。官能小説などを書き、原稿料を得て生活している。
・ダリアン・クレイ
連続殺人犯であり、女性を殺害した写真を撮り、被害者家族に送りつけるということを繰り返していた。死刑判決を受けているが、再審請求を繰り返している。
・キャロル・フロスキー
ダリアンの弁護士・母親
・ジョン・トナー
第一の被害者と考えられているサンディ・トナーの夫。実は妻を殺した犯人。ハリーの取材に、被害者の人権を盾に反対する。
【あらすじ】
ハリーは冴えない中年作家。シリーズ物のミステリ、SF、ヴァンパイア小説の執筆で何とか食いつないできたが、ガールフレンドには愛想を尽かされ、家庭教師をしている女子高生からも小馬鹿にされる始末。だがそんなハリーに大逆転のチャンスがやってくる。
かつてニューヨークを震撼させた連続殺人鬼より、告白本の執筆を依頼されたのだ。ベストセラー作家になり周囲を見返すために、殺人鬼が服役中の刑務所に面会に向かう。そこで、ダリアンに「刑務所に送られてくる"俺の女性ファン"に会い、そいつらをモデルに官能小説を書いて、俺に読ませるんだ。そうすれば、告白本のインタビューを受けさせてやる」と、取引を持ちかけられる。ダリアンの再審請求は却下され、とうとう死刑が執行されるのも間近、という時期であった。ハリーは、その申し出を受けることにした。
ハリーが、ダリアンのファンであるという女性に会うと、彼女たちは何者かに惨殺されていく。その殺害方法は、ダリアンの行なっていた兇行に似ていた。
犯行に及んでいたのは、ダリアンの弁護士、キャロル・フロスキーだった。彼女は、実はダリアンの母親だった。「犯人はダリアンの他にいる」と見せかけるために、犯行を重ねたのだった。
被害者たちの遺体は、ダリアンの養父・グレッツェンの家の庭に埋められていた。その掘り起こし作業を行なっている最中、ハリーは第一の被害者の夫、ジョン・トナーに襲われる。実は、ジョン・トナー自身が妻・サンディを殺害したのであって、その罪をダリアンに着せ、罪を逃れていたのだった。
辛くもジョン・トナーの襲撃を逃れたハリーは、一連の事件を小説とすることにして、執筆を始めた。