おととし、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺した問題で、市の第三者委員会が、自殺の原因について、「いじめが直接的要因になった」と結論づけ、31日公表する最終報告書に盛り込むことが分かりました。
第三者委員会は、おととし、大津市で、中学2年の男子生徒が自殺したあとに行われた学校や教育委員会の調査がずさんだったとして、市が去年8月、再調査のために設置しました。弁護士など6人の委員は、これまでに教師やいじめたとされる同級生などから聞き取りなどを行い、その結果、自殺した生徒は、複数の同級生から殴られたり蹴られたりする暴力や成績カードを破られるなどのいじめを受け、自殺の直前に別の友達に、「死にたい」と漏らしていたことが分かったということです。そして、委員会として自殺の原因について、「いじめ行為による屈辱や絶望などから、いじめの世界から抜け出せないと思った。いじめが自死につながった直接的要因になった」と結論づけ、31日に公表する最終報告書に盛り込むことを決めたということです。
この問題では、警察が去年12月、元同級生3人のうち2人の少年を暴行などの疑いで書類送検し、もう1人の少年の書類を児童相談所に送っていますが、いじめ行為と自殺との関係は、これまでの捜査で結論が出ていないとしていました。
委員会は31日、最終報告書を大津市の越市長に提出したあと、公表することにしています。
大津市で2011年10月、市立中2年の男子生徒がマンションから飛び降り自殺した問題で、市の第三者委員会が、いじめが自殺の直接的要因になったとする報告書をまとめたことが30日、関係者への取材で分かった。三者委は31日に報告書を越直美市長に提出する。
委員会は発足当初から「因果関係の最終的な結論は司法の判断を待つ」との立場を取っているが、事実上因果関係を認める報告書となっている。
三者委は、自殺原因を考察する目的で昨年8月に発足。男子生徒の同級生を中心に生徒や教員の聞き取りを進めてきた。
市教育委員会は昨年7月、男子生徒が自殺する6日前に、複数の教員がいじめの可能性を把握していたと発表。男子生徒が生前、周囲に「死にたい」と漏らしていたことも関係者の証言などから明らかになっている。
三者委は聞き取り内容や学校関係者が作成した記録を検討し、複数のいじめの事実を認定した。報告書もこうした事実を踏まえて、学校が自殺を予見できた可能性があると結論付けている。
また、沢村憲次前教育長が「背景には家庭内の出来事もあると聞いている」と述べていたことについて、委員会は遺族などから家庭状況を聞き取り、家庭要因との関連は認められないと判断した。
報告書には、市教委や学校の対応の問題点、再発防止に向けての提言も盛り込まれる見通し。