西アフリカのマリで、イスラム過激派の反政府武装勢力と軍事介入した旧宗主国のフランス軍の間の戦闘が激しさを増すなか、アメリカ政府もフランス軍を後方支援する方針を明らかにし、欧米諸国が軍事的な関与を強めています。
マリでは、北部地域を制圧するイスラム過激派の反政府武装勢力が、先週から南に向かって部隊を進め、攻勢を強めています。これを受けて、マリ政府の要請で11日、旧宗主国のフランスが、戦闘機を投入するなどして軍事介入を始め、反政府武装勢力が拠点を置く都市に対し、空爆を続けています。
マリ情勢について、アメリカのパネッタ国防長官は14日、「アメリカはどこであろうと国際テロ組織、アルカイダを追い詰める責任がある」と述べ、無人偵察機などを使って得た情報の提供や空中給油機を使ったフランスの戦闘機への給油といった後方支援を行う方針を明らかにしました。
一方、パネッタ長官は「地上部隊は派遣しない」と述べ、アメリカ軍の作戦は、あくまで限定的な後方支援にとどまるという考えを強調しました。
また、EU=ヨーロッパ連合も数百人規模の部隊をマリに派遣するため、対応を協議しています。
マリの反政府武装勢力は、アルカイダとのつながりも指摘されており、欧米諸国はマリ情勢に対する軍事的な関与を強めています。
フランスのオランド大統領は17日、イスラム武装勢力によるアルジェリア石油施設での人質拘束事件に関連し、フランスがマリに対して行っている軍事介入は正当化されると述べた。大統領は事件が「劇的な」展開を見せているようだとの認識を示したが、状況の正確な評価ができる情報をまだ持ち合わせていないとした。ただ「アルジェリアで起きていることは、マリに介入を行う私の決断が正当化されることを示す一段の証拠となった」と述べた。財界首脳らへのスピーチの冒頭で語った。
また、ファビウス外相は自国のマリへの軍事介入について、欧州連合(EU)加盟国すべての支持を得ているとの認識を示した。外相は記者団に「すべての欧州諸国はマリに連帯し、すべての仲間は例外なくフランスの行動を支持している」と述べた。