北アフリカのアルジェリアで、日本人を含む複数の外国人が拘束された事件について、アルジェリア軍が人質の解放のため攻撃を開始したことを受けて、政府は17日午後11時前から対策本部の会議を開き、正確な情報の収集に努めるとともに、日本人の安否の確認に全力を挙げています。
北アフリカのアルジェリアで、日本人を含む複数の外国人が拘束された事件について、菅官房長官は、17日午後10時半すぎに記者会見し、日本時間の17日午後9時10分に、現地アルジェリアのイギリスの大使から日本の公使に対し、人質解放のためにアルジェリア軍が攻撃を開始したという連絡があったことを明らかにしました。日本人の被害状況については、「鋭意確認中だ」と述べました。
さらに菅官房長官は、こうした状況について安倍総理大臣に報告し、その際、安倍総理大臣から、対策本部を至急開催する、正確な情報の収集と集約に努める、邦人の無事の確認に全力を挙げるという3点について、指示を受けたことを明らかにしました。
このあと総理大臣官邸では、安倍総理大臣の臨時代理を務める麻生副総理のほか、岸田外務大臣、茂木経済産業大臣らが入り、対策本部会議が開催されました。
対策本部のあと、岸田外務大臣は記者団に対し、「現地、各国、報道機関からさまざまな情報が出ているので、それを私のほうからお話しした。詳細については、菅官房長官が話すので、それを聞いてほしい」と述べました。
政府は、正確な情報の収集や分析を進めたうえで、菅官房長官が改めて記者会見を行うことにしています。
菅義偉官房長官が17日夜と18日未明に行った記者会見の要旨は次の通り。
【17日夜】
東京時間の午後9時10分、在アルジェリア英国大使から日本大使館の次席公使に対し、人質解放のためアルジェリア軍が攻撃を開始したとの情報提供があった。現時点で邦人の被害状況については鋭意確認中だ。こうした状況を受け午後10時15分、私から安倍晋三首相に状況を報告した。その際、首相から、(1)政府対策本部を至急開催する(2)正確な情報の収集と集約に努める(3)邦人の無事の確認に全力を挙げる−の3点の指示があった。指示を受けて対策本部第2回会議を開き、状況の把握に努め、適切に情報を発信する。
【18日未明】
現地の状況把握にありとあらゆる手段を尽くしてきたが、なお情報が錯綜(さくそう)しており、現時点において邦人の安否について確たる情報を申し上げることはできない。18日午前0時30分から45分まで、バンコクで安倍首相がアルジェリア首相と電話会談を行った。安倍首相より「アルジェリア軍が軍事作戦を開始したという情報に接しているが、人命最優先での対応を申し入れてきたにもかかわらず、このような行動に出ていることを強く懸念しており、厳に控えるよう改めて要請する」(と求めた)。また「解放された人の中に邦人はいるか」とただしたところ、先方は「現在まだオペレーションの段階にあるため何とも言えない」と述べたので、安倍首相より「状況が判明し次第、知らせてもらいたい」と要請した。また、17日午後11時から城内実外務政務官がアルジェリア外相と会談し、「アルジェリア軍の行動を即刻中止していただきたい」と要請した。今後ともアルジェリア政府に働き掛けを行うとともに、米国、英国などの関係国と連携しつつ、引き続き鋭意正確な情報収集を行い、何よりも邦人の無事救出に全力を挙げたい。これらの点は17日夜の第2回の対策本部会合で関係閣僚間で再認識した。
−アルジェリアに攻撃中止を求める点で米英と足並みはそろっているか。
今までの中で足並みをそろえていた。