フィギュアスケート選手・浅田真央さんの姉で、自身も選手として活動する浅田舞さん(24)がテレビ番組で、キム・ヨナ選手の高得点について「何でなんですかね?」「この問題はちょっとノーコメントで」などと発言した。この発言を韓国のネットメディアも報じ、韓国のネットユーザーが激怒している。一方日本のネットユーザーは舞さんや番組への賛辞などを書き込み、両国ネットが盛り上がっている。
舞さんは2013年1月13日、テレビ東京系の特別番組「ソチ五輪まで待てない!最強日本フィギュア陣・新年の誓いスペシャル」にコメンテーターとして登場した。ソチ五輪の女子メダリストはどうなるか、というコーナーで、「忘れちゃいけないこのお方」というナレーションでキム選手が紹介された。
12年12月9日にドイツのドルトムントで開かれたNRW杯のVTRを流し、「ジャンプ失敗何のその。さっそく飛び出たキムヨナクオリティ!」というナレーションとともにキム選手の転倒シーンが映し出された。続いて「で、今シーズン世界最高得点!」というナレーションと、「まさかのキムヨナクオリティで世界最高得点」というテロップが映され、「不思議な強さはどこまで続く〜?」というナレーションでVTRは終わった。
ゲストのファッションプロデューサー・植松晃士さんは、「てゆうかぁ〜、ヨナさーん?ヨナさんって、どうしてあんなに点数がいいの?」と舞さんに質問。すると「いやー、あの正直、わからないです。何であんなに点数が出てるのか」「わかんないです。選手やってたんですけど、見ても、何でなんですかね?ちょっと…審査員が好きなんですかね?」と答えた。
植松さんが「そういうこと〜?それはどうなの〜?」とさらに尋ねたが、「この問題はちょっとノーコメントにしといた方がいいかも知れないです」とはぐらかした。すると植松さんは「そうなんだぁ…」とヘンに納得していた。
この番組でのやり取りが1月14日、韓国のネットメディアで報じられた。記事では「キム・ヨナに悪意のある放送」、舞さんのコメントに対しては「あきれる回答」と書かれている。
この記事に対し、韓国ネットユーザーは「浅田真央は偽物のトリプルアクセルで選手生活を延命してるくせに」「そう思うなら実力を育てろよ!日本人の根性では韓国に及ばない」「劣等感と韓国に優れた選手がいることに対する敗北の意識がすごいな」「チョッパリ(編注:日本人を侮蔑する表現)め、だからお前は三流なんだ!」などと好き放題発言している。
キム選手はNRW杯で、浅田真央選手のグランプリファイナルでの196.80点を大きく上回る201.61点という今季最高得点を記録し優勝。しかしフリーでは上にあげた番組でも紹介していた通り、ジャンプの失敗、転倒などミスが目立った。
12年12月10日放送の「すぽると!」(フジテレビ系)では「キム選手の復活度は70%」と伝えたり、キム選手のショートプログラムの点数とグランプリファイナルでの浅田選手、鈴木明子選手らの点数を並べた映像を流したりしたため、ネット上では「浅田真央よりキム・ヨナが上と言っている」「本当に日本のテレビ局なのか」など怒りの声が上がっていた。
日本のネットユーザーが不満を抱えていたということもあり、今回の放送に対しては「よくやった 浅田舞好きになった」「誰が見てもおかしいのに、テレビで誰も指摘する人がいなかった。ほんとよく言ったと思う」などと歓声が上がった。また、「妹のスゴいところはこういうことに一言も発しないところ」など、浅田真央選手を称える意見も見られる。
韓国専門ニュースメディア「韓フルタイム」は、この浅田の発言をめぐる韓国での反応を紹介。ネット上では「妹の顔に泥を塗った」「見る目が無いね」「海外審判が韓国選手に高い点数を付ける理由はないよ。むしろ日本寄り」などと反発する声があふれていると報じている。
なお、キム・ヨナ選手のNRW杯での得点をめぐっては、フィギュアスケート選手で解説者の村主章枝も、高得点が出たことについて「ここまでどうして出てしまったのか、わからない」と、出演番組内で同様の発言をしていた。