安倍総理大臣は、就任後初めて福島県を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所や川内村の仮設住宅などを視察し、復興庁の権限を強化して復興に向けた取り組みを加速する考えを示しました。
就任後初めて福島県を訪れた安倍総理大臣は、福島第一原発の敷地に入り、収束作業の対策本部やがれき置き場を視察したほか、原発事故の影響で一時ほとんどの住民が村の外に避難していた川内村の仮設住宅を訪れ、住民に声をかけたりしました。さらに、川内村が震災後に国の補助金制度を利用して誘致した金属加工工場を視察し、従業員に対し「働く場があって初めて、村に帰ろうということになる。川内村が成功すれば、こうした取り組みが次々と広がるので、応援していきたい」と述べました。
このあと、安倍総理大臣は記者団に対し、「復興行政が縦割りになっていて、政策を推進していくうえで、省庁間の調整が進んでいかないという大きな問題がある。復興庁にすべての権限を集中し、まさにワンストップで物事を判断していけるようにしたい」と述べ、復興庁の権限を強化して復興に向けた取り組みを加速する考えを示しました。また、「2030年代に原発の稼動をゼロにする」とした民主党政権のエネルギー政策について、「希望が政策になっていくということではない」と述べ、継承しない考えも明確に示しました。
この中で、安倍総理大臣は、福島第一原発について、「事故のあとの緊急事態が収束し、現在はいよいよ廃炉に向けていくという移行期の段階だ。廃炉に向けてできる限り作業をスピードアップしていきたい」と述べ、政府として廃炉を進める作業を全面的に支援していく考えを示しました。
さらに、安倍総理大臣は「2030年代に原発の稼動をゼロにする」とした民主党政権のエネルギー政策について、「エネルギーは、日本が成長するためにも極めて重要であり、希望が政策になっていくということではない。10年間で原発を含めた将来の電源構成、いわゆるベストミックスを目指していく」と述べ、継承しない考えを明確に示しました。