自民党の石破幹事長は記者会見で、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への交渉参加について、「参議院選挙でTPPの議論は避けて通れない」と述べ、来年夏の参議院選挙までに党としての方針を決めたいという考えを示しました。
この中で、石破幹事長は、TPPへの交渉参加について、「『例外なき関税撤廃を前提とする交渉参加には反対だ』という党の方針は動いておらず、まずは実態をきちんと把握しなければならない。政権与党となったことで、さまざまな情報を把握できるので、民主党政権での協議がどのようなものだったのか確認したい」と述べました。そのうえで、石破氏は「参議院選挙でTPPの議論は避けて通れず、それまでに党として何らかの対処方針は決めなければならない」と述べ、来年夏の参議院選挙までに党としての方針を決めたいという考えを示しました。
また、石破氏は衆議院の選挙制度改革について、「民主主義のルールづくりに関することであり、早めに結論を出さなければならない。自民・公明両党でそごがあれば各党との議論にも迷惑をかけるし、全体の作業工程にも支障が出る」と述べ、まずは自民・公明両党で改革案の一本化を目指して議論を進める考えを示しました。
これに先立って行われた党の役員会で、安倍総理大臣は「国民の信頼を得られるよう実績を重ねていきたい。スピード感を持って外交や行政を展開していきたい」と述べました。
一方、有志議員による「TPP参加の即時撤回を求める会」が同日午前、党本部で開いた会合では、交渉参加に反対する意見が相次いだ。これに先立つ農林部会には林芳正農相が出席。部会長に内定している小里泰弘氏が「ここにいる人は農業を守る共通認識に立っている」と牽制した。