富山市の会社役員、福田三郎さん(当時79歳)夫妻が10年4月に殺害され、自宅を放火された事件で、殺人と現住建造物等放火などの容疑で逮捕された富山県警警部補、加野(かの)猛容疑者(54)=同市森1、休職中=が、県警の調べに「30年以上の付き合いの積み重ねがあった」と、夫妻に対する何らかの恨みをほのめかす供述をしている。県警は長年、近所づきあいがあり、貸金業も営む福田さん夫妻との間に金銭トラブルがなかったか調べている。
県警によると、福田さん夫妻は75年ごろから加野容疑者宅の近所に住み、付き合いを続けてきた。加野容疑者の父親も福田さん夫妻と親交があった。福田さん夫妻が今回の事件で放火されたビルに転居してからも加野容疑者は数回訪ねていた。加野容疑者は「顔を見ればあいさつをしていた」と供述している。
県警は24日も富山市内の加野容疑者宅を捜索し、前日の捜索と合わせてこれまでに日記13冊やノート、メモ紙など計161点を押収。動機につながる記述がないか調べている。県警は24日午後、加野容疑者を殺人と現住建造物等放火などの容疑で富山地検に送検した。
県警によると、加野容疑者は07年ごろから複数の消費者金融から借金。常時、200万円を超える借金があった。借金は「遊ぶ金のため」と供述しているという。
このほか、夫妻殺害の2週間前の10年4月6日に、当時の高岡署の上司が部下の身上把握のために加野容疑者と面談していたことも判明。同容疑者が当時提出した自己申告カードの借入金の項目には住宅ローンの記載はあったものの、消費者金融の借金については記述はなかった。上司は飲酒量が多かったことから、酒を控えるよう指導したが、犯罪の予兆があるとは判断しなかった。
===============
男には外に七人の敵がいるとされている。別に七人という数字には意味がなく一人でも百人でもかまわないが、要するに男にとって敵は明確に具体的に意識されている存在だということだろう。ところが女は違う。女は外に七人の敵がいるとはされないし、内に敵がいるとも譬えられたこともない。つまり女にとっての敵とは、実に不明瞭で抽象的な存在だということである。相手は敵なのだから憎む恨む対象でもある。そして憎む恨むという理由(動機)が男にとっては自明なことだし、また第三者から見ても明確だということも意味するだろう。しかし、女性の憎む恨むという理由(動機)は、その女性自身も不明であることが多く、ましてや第三者からすればチンプンカンプンであることがほとんどである。そして不明であることが同時に全身全霊で憎む恨むということにもなるようだ。
容疑者は県警の調べに「30年以上の付き合いの積み重ねがあった」として、夫妻に対する何らかの恨みをほのめかす供述をしているらしい。こうした恨み方は女性の恨み方だろう。だから、容疑者本人にも、その恨みの理由(動機)は不明だと思うが、しかし、県警は24日までに加野容疑者宅から日記やノートなど約160点を押収し、動機につながる記述がないか調べているという。動機=明確な敵の設定とした場合、動機は見つからないだろう。