富山市のマンションで2010年4月、会社役員夫婦が殺害され、部屋が放火された事件の直後、富山県警の捜査本部が殺人と現住建造物等放火などの容疑で再逮捕された同県警警部補の加野猛被告(54)(富山市森)(地方公務員法違反で起訴、休職中)を事情聴取しながら、当日のアリバイを確認していなかった。
県警幹部によると、04年まで福田三郎さん(当時79歳)と妻の信子さん(同75歳)が加野被告宅の近所に暮らしていたことから、捜査員が事件翌月の10年5月頃、参考人として自宅で事情を聞いた。県警は当時、夫妻の暮らしぶりや交友関係を中心に聞いたという。その際、事件当日は休みだった同容疑者の行動や居場所を確認することはなかった。という。幹部は「捜査するべきことが膨大にある中、容疑者として見ていない参考人のアリバイは一般的に確認しない」と説明している。
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富山県警の一般論が本当なら、ドラマなどの刑事たちのセリフは嘘だということになるだろう。彼らは「…ところで昨日はどちらに…形式的な質問です」など、事情を聴いた人には常にアリバイを聞いているからである。ドラマとはいえ嘘を放置しておくのもいかがなものかと思う。正しい知識の普及も警察の仕事のひとつなのではないだろうか。また、容疑者として見ていない参考人のアリバイは確認しないのだから、アリバイを聞かれたら容疑者として見られていると理解していのだろうか。