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警察庁、取り調べの教本を作成 自白の誘導などを防ぐことが目的

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 警察庁は13日、捜査員の取り調べの教本を作成したと発表した。正確な情報を得るための心構えや注意点などを挙げ、容疑者や参考人との関係構築のあり方などを解説。再審無罪となった足利事件などの不適切な取り調べの教訓を踏まえ、自白の誘導などを防ぐ。取り調べの統一的な教本を警察庁が作成するのは初めて。全国の警察に配布、警察学校などでの利用を促す。虚偽の自白が問題となる事件が相次ぐなか、1年の歳月をかけ人間関係の基本を説く教本の登場に、捜査員からは「時代がかわった」との声も上がっている。

 手引書は北海道大大学院の仲真紀子教授(心理学)の助言を受けて作成。心構えとして、「相手の話に耳を傾ける姿勢がまず重要」「取り調べが非日常の体験であることに留意する」と説いた。 その上で、最初は「相手に自由に語らせる」ことから開始。必要な情報を確認する段階で「いつ、どこで、誰が、何を…」や「AかBか、それ以外か」と、焦点を絞るべきだとしている。 虚偽の自白については、記憶が正確な時や自分に不利な内容でも「十分にあり得る」と強調。「(犯人の可能性がある)大切な人を守る」場合や、「検事や裁判官なら分かってくれるだろう」と考えたり、疲労や混乱で「自分が犯した」と信じ込んだりする場合に起こると指摘した。

 教本は、心理学者や科学警察研究所の担当者らから聞き取って、容疑者や参考人への接し方や、虚偽供述を誘導しないための手法などを具体的な事例を交えて書いている。「取調べ(基礎編)」と題し、A4判で約20ページ。心理学者の助言を踏まえ、作成した。まず取り調べの心構えとして、「相手の話に耳を傾けるという姿勢が重要」と指摘。相手が思い出す作業に集中し、何でも話せる関係を構築する重要性を強調している。

 関係構築の具体的手法としては「あいさつや取り調べの目的・進行などの説明」「まずは選択肢による質問ではなく、自由に話をさせる」などを例示した。ポイントは、取調室で取調官と向き合った時の容疑者らの心理状態によっては、自分に不利なことであっても虚偽の供述をする可能性が十分にあると指摘した。

 容疑者の取り調べにおける「虚偽供述」については、
(1)大切な人を守るためなどの「自発型」
(2)当面の不快感から逃れるためなどの「強制・追従型」ー相手(取調官)に良く思われたい
(3)不安や疲労から自分の犯罪と思い込む「強制・内面化型」ー早く取り調べを終わらせたい
の3つに分類できるとした。

 虚偽供述を判別するサインとして一般的に「視線をそらす」「自分の体を触る」などのしぐさが挙げられていることについても、「誰にでも共通するサインは見いだされていない」として、型通りの対応を戒め、「取り調べ全体の流れや話の整合性、客観的証拠など総合的に判断すべきだ」と結論づけた。その上で、取り調べの心構えを説明。容疑者や事件の目撃者などが感じている取り調べへの不安が意思疎通を困難にするとして、「取調官と供述人」の関係から「個人と個人」の関係を築くことが、「取り調べの成否を決めるほど重要」だと強調した。

 警察庁の担当者は「捜査員の大量退職により、取り調べ技術の伝承が難しくなってきた。取り調べの能力向上につなげてほしい」としている。




























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