今年１０月、熊本市北区の県道で４５歳の男性が死亡するひき逃げ事件があり、警察が捜査を進めていたが、被害者に合わせて数億円の保険がかけられていたうえ、「ひき逃げをした」と出頭してきた男性が身代わりだった疑いが強まった。警察は男性を出頭させた容疑で男２人を逮捕するとともに、保険金殺人の疑いでも捜査を始めた。
今年１０月２０日の未明、熊本市北区貢町の県道で、熊本市内に住む佐藤良治さん（４５）が軽自動車などにひかれて死亡し、警察はひき逃げ事件として捜査していた。しかし、被害者は現場から離れた場所に住んでいて未明に現場付近を訪れる理由がなかったことなど不審な点があったため、警察が調べを進めたところ、合わせて数億円の保険がかけられていたことが分かった。さらに「ひき逃げをした」と言って男性が出頭していたが、身代わりだった疑いが強まった。警察は、熊本市の４０代の男と熊本県玉名市の３０代の男の２人が男性を出頭させたとして、１２日、強要未遂の容疑で逮捕した。警察はひき逃げ事件を装った保険金殺人の疑いでも捜査を始め、男らから事情を聴くことにしている。
県警などによると、熊本市北区の県道で１０月２０日午前３時すぎ、佐藤さんが倒れているのをバイクで通りかかった男性が見つけ通報した。そばに軽乗用車が乗り捨てられており、近くでトラックが物損事故を起こし逃げていたことも判明。２台の車両を調べ２人が浮上したという。