東京都板橋区の自宅マンションで主婦、荒井久美さん(34)が刺殺された事件で、荒井さんが持っていた自宅の鍵が現場から見つかっていないことが24日、警視庁高島平署捜査本部への取材で分かった。
荒井さんの夫(37)は「2階にあった指輪も無くなっている」とも話しており、捜査本部はいずれも犯人が奪ったとみて調べている。夫が手帳に挟み、奪われたとみられていた現金2万円はごみ箱から見つかった。
捜査本部によると。事件当日の21日午後5時ごろ、豊島区の池袋駅付近にあるコンビニの現金自動預払機(ATM)で現金約26万円を引き出した男は、眼鏡姿でグレーのニット帽、青いマフラーなどを着用していた。
付近の防犯カメラに同じ服装の男は写っておらず、捜査本部は、現金を引き出す直前に服を購入し、変装した疑いもあるとみて、周辺にある衣料品店の防犯カメラの画像を回収し、解析を進めている。
コンビニで荒井さんの預金を下ろした犯人とみられる男の服装と似た商品が、コンビニ近くの衣料品店で購入されていたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁高島平署捜査本部は男がこの店に立ち寄り、着替えたとみている。
捜査本部によると、コンビニの男は灰色のニット帽に青のマフラー、黒のセーター姿。コンビニでは21日午後5時ごろ、預金が下ろされていたが、直前に近くの池袋駅前の大手衣料品チェーン店で、似た商品がまとめて購入されていた。
また、コンビニの男は黒縁の眼鏡や白のマスクをつけていたが、午後3時半ごろ、マンションのインターホンを押していたスーツ姿の男も同じような眼鏡をかけていた。2人は同一人物の可能性が高いという。
荒井さんは午後3時25分ごろ、マンションから約400メートル離れた東武東上線成増駅前の飲食店で買い物をしていた。隣室の住民は「外出先から帰宅した3時50分以降は不審な物音などを聞いていない」と話しており、捜査本部は3時半から50分までの約20分間に犯行が行われたとみている。