第111回九州市長会(会長・釘宮磐大分市長)の総会が7日、宮古島市で開催された。海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備の撤回を求める決議案には、難色を示す意見が鹿児島県志布志市の本田修一市長や長崎県佐世保市の川田洋副市長らから出たため、全会一致を原則とする決議は困難として、理事会で沖縄県の負担軽減を軸とした文言に修正することになった。修正案は8日午前の理事会で決議される予定。
決議案は、政府に対して沖縄へのオスプレイ配備撤回を強く求めたもの。本田市長は「決議すれば、沖縄以外のほかの県に持ってきていいよと意味することにもなると思う」として、決議に難色を示した。
儀間光男浦添市長は「沖縄ならいいけど、九州なら困るという発想は到底理解できない」として、憤りをあらわにした。名護市の稲嶺進市長は「九州のどこかの県に持って行ってほしいと言っているのではなく、これまで67年間も被ってきた負担をこれ以上させないでくれと言っている」として理解を求めた。
本田市長は「(九州の市長は)自分のところで受けるという気持ちがあっての決議なのか疑問だ」などと述べた。
沖縄と福岡を除く6県の市長会が提案した、米軍機による低空飛行訓練の中止と、詳細な説明なくオスプレイの飛行訓練を強行しないよう求める議案は可決された。
九州市長会(会長・釘宮磐大分市長)は8日、沖縄県宮古島市での臨時理事会で、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)への垂直離着陸輸送機オスプレイの配備は到底容認できない、とする決議を採択した。
7日の総会では、沖縄県市長会が提出したオスプレイ配備撤回を求める決議案を審議したが、日米安全保障条約に基づく決定には協力したいなどとする異論や慎重論が出ていた。理事会では表題を「沖縄県への過重な基地負担の軽減を求める決議」と改め、文言も修正した。
沖縄県市長会提案の決議案本文から「オスプレイ配備反対」「配備撤回」を削除した決議案を全会一致で承認した。
総会で審議された決議案は「さらなる負担を強いられる沖縄県民の配備反対という不退転の決意を真摯に受け止め、直ちに撤回するよう強く求める」としていたが、理事会は「撤回」の文言を削除し「県民の声を真摯に受け止め、これ以上、沖縄県に負担を押しつけることがないよう強く求める」と表現を弱めた。