日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は26日、維新国会議員団がまとめた次期衆院選の公約素案について「まだたたき台中のたたき台だ。表現の仕方も表への出し方も稚拙だ。政調会にもかかっていない」と不快感を示した。市役所で報道陣の取材に答えた。
素案は「維新八策」に沿って国会議員団が独自に示した。橋下氏は外交・防衛政策の「2045年を目標に外国軍の駐留を全廃する」との項目について「今だって日米同盟がある。表現は慎重に考えなきゃいけない。これから役員会で激論になる」と批判した。
幹事長の松井一郎大阪府知事も26日、府庁で報道陣に「まだ決まったわけではない。国会議員団がたたき台として出している。国会議員団のアピールかもしれない。アピールは良いが、国会議員団の一つの考えであり、これから議論をして決めていく」と述べた。
石原慎太郎東京都知事の辞職、新党結成は衆院選は間近と読んでの決断だろうが、今後はどう動くのか。石原は11月上旬(2012年)にも解党する「たちあがれ日本」の国会議員5人や民主党を離党した無所属議員、自民党離党組らと新党を結成し、第3極を目指す手はずになっている。「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表によると、新党は「石原さんを代表にすることが決まっている」という。
第3極結集の最大のポイントは「日本維新の会」との連携だが、石原は「まず橋下さんとの連携、連帯でしょう。政策のすり合わせはずいぶんしてきている」と自信がありそうだ。維新の会の橋下徹代表(大阪市長)も「原発政策、TPP、消費税の問題で考え方が対極にあるじゃないかと言われるが、そうじゃないですね」と歩み寄る姿勢だ。
しかし、番組コメンテーターの与良正男(毎日新聞論説委員)は「第3極は難しいと思う」と見る。「原発政策や憲法全面改正など、石原新党は政策的に『日本維新の会』とは合わない。『日本維新の会』と『みんなの党』は近いが、石原さんはその『みんなの党』とも合わない。小沢代表の『国民の生活が第一』とは死んでも一緒にならないといっている」
石原にとっては、老体に鞭打って「国政で主導権を取る最後のチャンス」(柿崎明二共同通信編集委員)だろうが、前途はなかなか厳しいようだ。
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