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参院選違憲状態:「現行方式を改める必要」最高裁、初言及

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 1票の格差が最大5.00倍だった10年7月の参院選は違憲として全国の有権者が選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は17日、定数配分規定を違憲状態と判断した。その上で「都道府県を単位として選挙区定数を設定する現行方式を改める必要がある」と制度見直しの具体策に初めて言及。一方で、是正に相当の時間を要することは認めざるを得ず、規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたとはいえないとして、選挙無効は認めなかった。

 大法廷は09年衆院選についても昨年、違憲状態と判断しており、衆参両院が選挙制度の抜本見直しを同時に迫られるという異例の事態となった。

 最高裁が参院選の定数配分規定を違憲状態と判断するのは、最大格差が6.59倍だった92年選挙に対する大法廷判決(96年)以来2度目。15人の裁判官全員が格差を違憲状態と判断し、うち11人が制度見直しの必要性を認める多数意見を形成した。田原睦夫裁判官ら弁護士出身の3人は「違憲」とする反対意見を述べたほか、行政官出身の竹内行夫裁判官は「都道府県(単位)の選挙区設定は合理的」と意見を述べた。

 大法廷は2院制下の現在の参院の役割について「衆院とほぼ等しい権限を与えており、急速に変化する社会情勢の中で、長い任期を背景に役割は大きくなっている」と言及。両院の選挙制度が同質的になったとも指摘し、「衆院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っている。参院選の投票価値の平等が(衆院より)後退してよい理由は見いだしがたい」と述べた。

 さらに、都市部に人口が集中する中、「都道府県を選挙区とする仕組みを維持しながら投票価値の平等を図ることは、もはや著しく困難」と述べ、違憲状態と認定。その上で「より適切な民意の反映が可能となるよう、単に一部の選挙区定数を増減するにとどまらず、都道府県単位の現行方式を改める立法的措置を講じ、不平等状態を解消する必要がある」と国会に求めた。

 最高裁は92年選挙後に行われた5回の選挙はいずれも合憲としてきた。その中で5倍前後の格差は常態化し、10年参院選は神奈川、鳥取両県間の格差は5.00倍だった。

 09年衆院選を巡る昨年3月の大法廷判決は「1人別枠方式に基づく区割りは投票価値の平等に反する」として、小選挙区間の1票格差(最大2.30倍)を違憲状態と判断した。

◇「1票の格差」判決骨子
▽10年参院選当時、選挙区間の投票価値の不均衡は違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態
▽本件選挙までに定数配分規定を改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとはいえない
▽都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行方式を改める必要がある

・違憲と違憲状態
 1票の格差を巡る訴訟で、最高裁は(1)格差が憲法の要求する選挙権の平等に反しているか(2)格差是正のための合理的期間を経過したか−−の2段階で違憲性を判断してきた。格差は違憲だが、その状態を是正するための合理的期間内にある場合が違憲状態、期間を経過していれば違憲とされる。最高裁は過去に、「違憲状態」判断は衆院選で3回、参院選で1回、「違憲」判断は衆院選で2回示したが、その選挙を無効とまではしなかった。






























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