沖縄県の普天間飛行場(宜野湾市)に配備された米軍の新型輸送機MV22オスプレイが、フィリピンで実施中の米フィリピン両軍の定期合同演習「フィブレックス」に参加することを断念した。演習に参加中の複数の在沖縄海兵隊員が13日、明らかにした。当初、参加予定だったが、普天間への配備が遅れたため。
米軍再編に絡み、米側はフィリピンを海兵隊の巡回配備先の一つとして演習の回数や規模を拡大する意向だ。今後、フィリピンでの合同演習で普天間配備のオスプレイを「テストしたい」(米海兵隊員)としている。
米海兵隊が1日に米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を開始してから14日で2週間になる。6日までに今年予定の12機全ての配備が完了した。4日から県内で飛行訓練が始まっており、回転翼を上に向けたヘリコプターモードでの飛行が基地外の市街地上空で頻繁に目撃されている。海兵隊はヘリモードは原則基地内上空で行うとしており、日米合意から懸け離れた飛行が恒常化している。
琉球大学の渡嘉敷健准教授が宜野湾市立普天間第二小学校と名護市の国立沖縄工業高等専門学校の屋上で実施した騒音調査では、建具のがたつきをもたらしたり、精神的不快感を引き起こしたりする低周波音が確認された。オスプレイは一時移駐先だった米軍岩国基地(山口県)から普天間へ1日に6機、2日に3機、6日に3機移動。4日から沖縄本島中北部や伊江島の米軍基地を使用した飛行訓練を開始した。12日までに6機が延べ12回飛行を行った。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された新型輸送機オスプレイ12機の本格運用が近く始まる。旧型の輸送ヘリと比べると、普天間飛行場では夜間や早朝の使用が3.7倍に増え、訓練の回数は伊江島で2.3倍になる。そんな実態が、米海兵隊の環境審査報告書から浮かび上がった。
報告書は配備後の環境への影響について米側がまとめ、防衛省が6月に公表した。その内容を詳しく見ると、オスプレイが拠点とする普天間飛行場では全機種の年間訓練数が11%減の2万780回になる。だが、旧型ヘリとオスプレイでは、午後10時〜翌午前7時の離着陸訓練回数は年76回から280回に増える。
深夜や早朝の普天間の使用について、日米政府は96年に「必要最小限にする」とする騒音防止協定を結んだ。今年9月の安全宣言でも同じ文言を繰り返した。県幹部は「夜間や早朝に4倍近く増えるのに、『必要最小限』と言えるのか」と疑問をはさむ。
県は今月、普天間飛行場近くでのオスプレイの騒音を83.7〜89.2デシベルと発表。工場やカラオケ店の中と同程度とされる90デシベルに近い数字だ。
県内では北部訓練場やキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンなど主に50カ所の着陸帯で実戦訓練をする。旧型ヘリは年間に2万1290回飛行し、オスプレイの本格運用後は2万564回に減る。しかし、米軍が訓練に適しているとみる施設では飛行回数が増える。
最も負担が大きくなりそうなのは、米軍の補助飛行場がある伊江島だ。米軍佐世保基地(長崎県)の強襲揚陸艦ボノム・リシャールの甲板にそっくりな滑走路があり、オスプレイが離着陸訓練をする。有事にはボノムに載せられ、洋上から出動すると想定されているからだ。5カ所の着陸帯も含め、年2880回の訓練回数は本格運用後、6760回に増える。伊江島で全米軍機の飛行は、年6204回から1万84回へと1.6倍になる。
島はこれまで、読谷村(よみたんそん)で続いていた落下傘降下訓練の移転も受け入れてきた。大城勝正・伊江村長は「防衛政策に協力してきた。そのうえの訓練増に納得できるはずがない」と憤る。
金武町(きんちょう)のブルービーチ訓練場には、着陸帯が2カ所あり、年間で計28回の訓練が1680回に増える。日本政府は07年、着陸帯は基本的に1カ所だけを使うと町に約束したが、その後も使われ、町は抗議してきた。米軍は本格運用後も2カ所を頻繁に使う方針だ。儀武(ぎぶ)剛町長は「政府がだましているとしか思えない。強引なやり方を進めるなら基地の返還要求も考える」と語気を強める。
10月1日、オスプレイが沖縄普天間基地へ配備された。尖閣諸島問題で「中国脅威論」が巻き起こったことで、配備を後押ししたとされる。オスプレイと尖閣問題がどうつながっているのか、新刊『アメリカに潰された政治家たち』(小学館刊)が話題の元外務省国際情報局長・孫崎享氏はこう解説する。
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今回の尖閣騒動は、2012年4月に石原都知事が訪米中に、「東京都が尖閣諸島を買い取る」と宣言したことが発端でした。
しかし、竹島や北方領土と異なり、尖閣は日本が実効支配しているのですから、むやみに騒ぎを起こすべきではなく、粛々と実効支配を続けることが大事なのです。まさか石原都知事がそれを知らないとは思えません。
一方、石原都知事の挑発を受けて動き出したのが香港保釣行動委員会という団体で、抗議行動として2012年8月15日に尖閣諸島に上陸しました。この団体は、1970年11月に米プリンストン大の台湾人留学生たちが委員会を結成したのが始まりとされています。つまり、アメリカで生まれた団体なのです。
しかも、ネット上では、上陸した活動家の一人が、別のデモで中国の国旗を燃やしているとする写真が公開されています。それが事実なら、この活動家らはいったい何者なのでしょうか。
親米派の石原都知事が焚きつけ、米国発祥の謎の団体が尖閣に上陸し、中国での反日デモにつながっていきました。そして日本国内では中国脅威論が巻き起こり、オスプレイ配備がなし崩し的に進められているわけです。
誰が得をしたのかと言えばアメリカです。私には単なる偶然とは思えません。
※『アメリカに潰された政治家たち』より抜粋
抗議運動はまだまだ続くみたいですね。
【オスプレイ・沖縄基地に反対、全ての戦争政策に反対!防衛省連続抗議アクション】
10月15日、22日、29日の18時〜20時、防衛省正門前で抗議行動を行います。申し入れ文、プラカード・横断幕、楽器、配布チラシ、行動のアイデアをぜひ持参ください。今週の情勢とテーマ:オスプレイ配備強行反対、市街地を飛ぶな、全国を飛ぶな。高江のヘリパッド工事今すぐ中止を・完成を許さない。普天間座り込みの強制排除を許さない。
地図(JR四谷・市ヶ谷駅から徒歩5分)http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/access.html
呼びかけ:9月末の防衛省連続抗議参加者の有志。
★今週だけ火曜。来週以降は、毎週月曜日夜は防衛省前へ!と覚えてください(11/5は「辺野古への基地建設を許さない実行委員会の抗議行動もあります!http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html)
今こそ「本土」からも全てを帰る時です。日米安保・軍事同盟をなくす所まで行かなければ、沖縄への凄まじい暴力・基地押しつけや、日本の他国への侵略戦争を無くすことはできない。
アフガン・イラク戦争に沖縄から海兵隊と自衛隊を向かわせ、何十万人も虐殺させてしまった。東アジアへの戦争と差別を煽り続け、それを沖縄オスプレイ押しつけ、自衛隊の南西諸島押しつけの理由にする。これらを何も責任を取らせていません。だからあらゆる軍拡を無限に続け、憲法改悪をする。これが、安倍・自民党政権になったら極限までいきます。史上最悪の時代です。
そしてどんな政権でも防衛省はそれを自らの権限拡大のために主導しています。必ず止めましょう! そうした「反戦」のトータルな意思・主張もしていきます。いま本当に必要なことだと思います。
☆広島でも10/13に原爆ドーム前での座り込みが行われます!
http://takae.ti-da.net/e4191005.html
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まぁ、確かに、沖縄から米軍施設を無くすには、日米安保を廃棄するしかないかも知れません。ここに欠けているのが防衛です。しかし、彼らにとって防衛を考えることは、日本の他国への侵略戦争を考えることにつながっているのでしょう。だから、これを考えないことが平和を願う人間としては当たり前だということになるのでしょう。こういった発想は、国防(軍事力)しか考えなかった戦前の単なる裏返しでしかない。危険な兆候だと言わざるをえません。