覚醒剤の購入を持ちかける書き込みなどが問題となっていたインターネット掲示板「2ちゃんねる」で、違法情報の書き込みが今年になって大幅に減っていることが分かりました。
警察庁によりますと、違法な情報が書き込まれているとして去年、IHC=インターネットホットラインセンターは2ちゃんねるに対し、5223件の削除を依頼しました。
このうち、削除されたのは3%の155件でした。今年、上半期では、違法情報の削除依頼は311件で、大幅に減っていることが分かりました。実際に削除されたのは約45%の138件でした。削除依頼があった「2ちゃんねる」以外の書き込みについては、約90%が削除されています。警察庁などは、今後も2ちゃんねるに対し、違法情報などの書き込みの削除を求めていくとしています。
◇悪質サイトに広告 対策検討へ
インターネット上に薬物などの違法な情報を放置しているサイトが、一般企業の広告を掲載して多額の収入を得ているケースがあることが分かり、警察庁は有識者による会議を設け、広告業界に悪質なサイトの情報を提供することを含めた対策を検討することになりました。
この有識者会議は、インターネットの情報セキュリティについて官民が連携して対策を話し合うために警察庁が毎年開いているもので、10日は、薬物などの違法な情報を放置しているサイトに、一般企業の広告が掲載されるケースが相次いでいる現状が話し合われました。
この背景には、サイトの管理者が企業から受け取る広告収入がサイトのアクセス数に比例する仕組みになっていることがあり、管理者が広告収入を増やすため、企業側との契約後に、違法な情報や画像を掲載するようになったとみられています。
警察庁によりますと、中には一般の企業の広告を載せた複数のサイトに18歳未満の少女のわいせつな画像を公開し、3年半でおよそ7億5000万円の収入を得ていたサイトもあり、管理者らが摘発されています。
有識者会議では今後、広告代理店などが加盟する団体に悪質なサイトの情報を提供することを含めた対策を検討し、年度内に報告書にまとめることにしています。