■島を支える電気の専門家 〜沖縄保安協久米島営業所
沖縄県那覇市から西に約100キロ、東シナ海にたたずむ久米島。年間平均気温が20度を超える亜熱帯気候の暖かい島で、周囲48キロに約3950世帯、8500人余りが暮らす (2012年7月末現在)。産業はサトウキビやゴーヤの栽培、食肉牛の飼育、車エビの養殖などが盛ん。この牧歌的な島の電気設備保安は、沖縄電気保安協会久米島事業所 (嘉手川繁則所長)が支えている。
同事業所は、一般家庭の調査業務を担当する山城毅さんと、自家用電気工作物の保安業務を手掛ける嘉手川所長の2人体制。離島という地理的条件で苦労しているのは、資機材の調達だ。
嘉手川繁則所長
購入先は町の金物屋さん。沖縄本島のように潤沢に在庫があるわけではない。
時折、沖縄本島のファストフードも恋しくなる。
それでも、久米島での保安業務につらさを感じることはないという。
嘉手川繁則所長
久米島は時間がのんびり流れていて、ギスギスした人間関係もない。付き合いやすい人ばかりで、本当にいいところ。
実際、顧客としてでなく、プライベートの延長線上に保安協会の存在をみる人が多い。特に調査業務では、電球の交換なども気軽に頼まれる。「その分、お茶をごちそうになったり、畑で採れたカボチャを持たせてくれたり…」 (山城さん)。まるで近所付き合いだ。
保安業務66件の顧客との信頼関係は、もう一段深い。 「久米島海洋深層水開発」 (久米島町、安里一月社長) もその一社。 同社は久米島で、質の高い海ブドウを養殖しており、冷たい海洋深層水を利用して養生水槽内の温度管理を行っている。 養殖場には約50人の従業員を抱え、島にとっては雇用創出の場としても重要な施設だ。同社の仲道司場長は「電気設備にトラブルがあれば、海ブドウの品質が落ちてしまう。 保安協会には点検やメンテナンスなどで助けてもらっている。 頼りになる存在だ」と話す。
■沖縄姓の漢字 ウェブで検索 県系移民向け
ウェブサイト制作のteam和(竹〓久仁衣代表)が、名字の漢字表記を知らない県系移民向けに、沖縄の名字をアルファベットで入力すると漢字表記が検索できるサイト「Uchinanchu Name Collection(ウチナーンチュネームコレクション)」を開設した。
海外に住む県系の子孫の多くが名字の漢字表記について知らず、関係者から相談を受けたのが同サイト開設のきっかけとなった。サイトでは「比嘉」や「大城」など代表的な沖縄の名字107の検索が可能で、検索すると書道家の竹〓代表が毛筆で書いた漢字が表記される。
今後は漢字のデータを有料でダウンロードできるように整備し、表札やTシャツ、マグカップなどの作成に役立ててもらう予定だ。
竹〓代表は「先祖から受け継いだ名字の漢字表記を知らない人は多い。海外では結婚しても先祖の名字は何世代も残っていくし、アイデンティティーの重要な要素。どんな漢字表記なのか知ってもらいたい」と話している
■東日本大震災:サーターアンダギーに挑戦 福島の子が初体験
「夏休み福島県青少年支援プロジェクト」(沖縄県ユースホステル協会主催)で沖縄を訪れている福島県の子どもたちが17日、那覇市の沖縄製粉サービスセンターでサーターアンダギーづくり体験教室に参加した。子どもたちは慣れない手つきながらも、指導を受けながら一生懸命にサーターアンダギー作りにチャレンジした。
体験教室では、県内のボランティア団体ジョイネス沖縄(崎山洋子会長)と沖縄製粉の社員らが子どもたちをサポートした。同プロジェクトで沖縄を訪れている子どもたちは計117人。この日の体験教室には代表50人が参加し、全員分となる117人分のサーターアンダギー作りに挑戦した。
郡山市立柴宮小6年の佐藤怜空君(12)は「油で揚げるのが難しかったけど、ふっくらできて良かった」と笑顔で話した。同小4年の川島菜月さん(9)は「サーターアンダギーを作るのは初めて。生地が硬くて混ぜるのが大変だったけど面白かった。沖縄は楽しい」と日に焼けた顔で語った。児童らは7月23日から滞在しており、20日に福島に帰る。