米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移転先として、政府案に特に反対する理由がないので、その案を支持している。森本敏新防衛相も政府案を支持しているので期待したい。4月の「沖縄で激論!日本安全保障とアジアの平和」(「朝まで生テレビ」)で気づいたことだが、沖縄人は素人には滅法強いが、芸人にはオロオロするか激昂するかしかないようである。
代替施設推進協議会元会長、宮城安秀・名護市議(56)
意外な人選だが、防衛問題に長けている人なので、田中氏とは違って国会答弁や国内外での対応をしっかりやってくれるだろう。移設先が辺野古になるかどうかは別として、普天間問題を進展させてくれることを期待したい。
一方で警戒の声も上がっている。
普天間飛行場に隣接する新城区自治会の与那覇政勇会長(63)
誰が防衛相になっても沖縄の現状は変わらない。民間人と言っても森本氏は自衛官や外務省の出身。安全保障論の専門家だけに、国益のためには沖縄県民は我慢すべきだとして普天間飛行場の県内移設やオスプレイ配備を強行しかねない。
普天間爆音訴訟団の石川元平副団長(74)
安全保障論が専門の森本氏は沖縄に日米安保の犠牲を押しつけてきたヤマト(本土)の論客の一人。素人の田中直紀氏から玄人への交代だが、沖縄県民の思いに逆行する人事であり、極めて遺憾だ。ますます沖縄を巡る現状は悪くなる。
野田佳彦首相は4日の内閣改造で、田中直紀防衛相の後任に森本敏・拓殖大大学院教授を充てる人事を固めた。前身の防衛庁長官を含め防衛相の民間人起用は初めて。防衛相への就任が決まった森本敏拓殖大教授は、自衛官出身で外務省勤務の経験もあり、外交・安全保障の現場を肌で知る専門家だ。
1991年の湾岸戦争や2003年のイラク戦争を通じて論客として知られるようになり、テレビ番組などで引っ張りだこになったこともある。
森本氏は65年に防衛庁(現防衛省)に入り、航空自衛隊で部隊勤務に就いた。自衛官を退官後、外務省に入省し、情報調査局安全保障政策室長を務めた。
民間では、野村総合研究所主席研究員などを経験した。日米同盟や在日米軍基地などに関する著作も多く、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設問題では、同県名護市辺野古に移設する政府案を支持している。
自民党との関係も深い。麻生内閣の2009年には、防衛省の不祥事を受けた体制刷新で新設された防衛相補佐官に起用された。安倍内閣でも、米国家安全保障会議(NSC)の日本版創設を議論した政府の有識者会議「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」に参加した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡って政府と対立する沖縄県では、安全保障論を専門とする森本敏・拓殖大大学院教授の防衛相起用に期待の声もある一方、「専門家だけに県内移設を強行してくる恐れがある」と警戒する声が上がった。
普天間飛行場に隣接する新城区自治会の与那覇政勇会長(63)は「誰が防衛相になっても沖縄の現状は変わらない」と突き放す。その上で「民間人と言っても森本氏は自衛官や外務省の出身。安全保障論の専門家だけに、国益のためには沖縄県民は我慢すべきだとして普天間飛行場の県内移設やオスプレイ配備を強行しかねない」と懸念を示した。
普天間爆音訴訟団の石川元平副団長(74)も「安全保障論が専門の森本氏は沖縄に日米安保の犠牲を押しつけてきたヤマト(本土)の論客の一人。素人の田中直紀氏から玄人への交代だが、沖縄県民の思いに逆行する人事であり、極めて遺憾だ。ますます沖縄を巡る現状は悪くなる」と憤りを隠さなかった。
一方、普天間飛行場の名護市辺野古への移設を条件付きで容認する立場の代替施設推進協議会元会長、宮城安秀・名護市議(56)は「意外な人選だが、防衛問題に長けている人なので、田中氏とは違って国会答弁や国内外での対応をしっかりやってくれるだろう。移設先が辺野古になるかどうかは別として、普天間問題を進展させてくれることを期待したい」と歓迎した。
自民党の石原伸晃幹事長は4日午前、野田内閣の再改造について「今のタイミングでは遅い。適材適所か厳しく追及する」と批判した。書類送検された在日中国大使館の1等書記官との関係が取りざたされる鹿野道彦農相の交代に関しては「辞めれば済む問題ではない。国会で徹底的にただしていく」と述べた。党本部で記者団に語った。