東日本大震災の震災瓦礫を受け入れたい地域は受け入れればいいと思う。かつてメディアには「オリンピックで世界はひとつになった。人類は繋がった。なのに戦争がある。それはおかしい」といった趣旨の常套句があった。戦争反対ないしは平和主義者のつもりだったのだろう。そういった常套句は今は聞かない。もし、その常套句を使っている者がいれば、それは純粋・純真な少年少女ないしはその精神状態の大人ぐらいのものだろう。しかし、あの常套句は形を変えて蘇った。「あの大震災の折、私たち日本人は”絆”の重要さに気付きました。互いに助け合うことの大切さに改めて気付かされました。なのに、今、なぜ、瓦礫を受け入れない人たちがでてしまったのでしょうか」とする趣旨の常套句をメディアは流している。その常套句を権威とする形で、受け入れに反対する地域及び住民を批判するのは正しいことではないだろう。
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島田市が本格受け入れした震災がれきにコンクリート片が混入していた問題で、川勝平太知事は31日、岩手県のがれき搬出現場に県職員を監視員として常駐させ、異物混入をチェックしながら受け入れを続行する方針を明らかにした。本格受け入れ再開と同時に、空間放射線量の検査員と合わせ計2人を1週間交代で派遣する。
川勝知事
油断があってはいけないので、われわれの目でチェックする。異物が入らないよう監視をしっかりしたい。
またこの日、岩手県環境生活部の工藤孝男部長らが県庁に川勝知事を訪ねた。
岩手県環境生活部・工藤孝男部長
多大な協力をいただきながら、こちらの不手際でご迷惑をおかけして申し訳ありません。異物が混入しかねない場所で作業を行い、十分に確認しないままがれきを積み上げたことや、積み込み時の確認が十分でなかったことなどが混入の原因。鉄板を敷いた新たな保管場所を設置し、がれきはふるいにかけ、薄くのばして検査した後に積み込む。
川勝知事
放射性物質のチェックに神経が集中してしまったのではないか。これ以上のことはできないと思うが、大丈夫だと証明するのはチェックしかない。120%、念には念を入れてチェックしてほしい。
工藤部長らはその後、島田市の桜井勝郎市長や同市のゴミ焼却施設周辺の住民らとも面会し、同様の謝罪と説明を繰り返した。静岡県と岩手県の間で締結された協定では、受け入れるがれきは角材や柱を破砕した木材チップに限定されおり、コンクリート片は基準違反となる。
北九州市の漁協組合幹部らは30日、北九州市役所で、宮城県石巻市のがれき受け入れを検討している市幹部と意見交換した。漁協側は風評被害など想定外の事態に市の責任を明確にするよう求め、市は「約束する」と答えた。
今回の意見交換会は、北九州市の10漁協の漁業権を管理している「北九州10ケ浦漁業権管理委員会」(委員長=上野忠義・北九州市漁協組合長)の主催。同委員会など漁協側は、海に面する響灘西地区廃棄物処分場(若松区)に市ががれきを埋め立てる予定であることから、魚介類の風評被害を懸念し市との意見交換を求めていた。
会議は梅本和秀副市長や今永博環境局長、漁協幹部、市民代表ら14人が出席し、1時間半開かれた。漁協側は、がれき受け入れを懸念する意見が漁協にたくさん届いていることを紹介。
上野忠義・北九州市漁協組合長委員長
説明が十分ではないから、いろいろ連想する。説明は、くどいくらいにお願いしたい。想定外を考慮し、責任の明確化を書面にしてもらいたい。
梅本副市長
約束したい。
ただ、具体的な内容については今後、決定する。
群馬県の吾妻東部衛生施設組合(中之条町、東吾妻町、高山村)は30日、東日本大震災で被災した岩手県宮古市の震災がれきを6月8日から中之条町の吾妻東部衛生センターの可燃ごみ処理施設に受け入れると発表した。焼却作業は11日から始める。県によると、正式受け入れは県内で初めてとなる。被災地の復興支援を標榜(ひょうぼう)する組合の決断が、他の自治体にも影響を与えるのは確実とみられる。
組合によると、受け入れ期間は1年で、総量は木や紙、繊維くずなど1130トン。震災がれきはコンテナで運ばれ、荷降ろしや線量測定などの作業が必要となることから、一般住民のごみの搬入が終了した午後4時半過ぎから搬入を開始する。
がれきの受け入れを巡っては、組合管理者の折田謙一郎・中之条町長が1月25日、県内で初めて受け入れ検討を表明した。
しかし議会や住民の反発もあり、3〜4月に20回、3町村で住民説明会を開いたうえで、同市のがれき14・65トンを試験焼却して安全性を確認し、4月17日に受け入れる方針を発表した。
環境汚染を懸念する住民感情に考慮し、組合と岩手県が5月15日に結んだ基本協定では、焼却前のがれきの放射性セシウム濃度を、国の目安の「1キロ・グラム当たり240〜480ベクレル以下」よりも低い「同100ベクレル以下」とする独自基準を設定している。
組合では、空間放射線量や放射性セシウム濃度などの測定結果をホームページで公表していくほか、住民らの不安を解消するため、職員が相談業務に応じていく方針だ。