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フォークランド紛争30年 英王子派遣 深まる対立 キャサリン妃は単独で公の場に

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 英政府が南大西洋の英領フォークランド(アルゼンチン名マルビナス)諸島に空軍ヘリのパイロットとしてウィリアム王子を派遣したことに、領有権を主張するアルゼンチンが十日に国連へ問題提起の書類提出を予定するなど反発をエスカレートさせている。今年は両国が戦火を交えたフォークランド紛争から三十年。同諸島をめぐり再び対立が深まっている。

 ウィリアム王子は二日、捜索救難ヘリの副操縦士として派遣された。英政府は「あくまで軍パイロットとしての軍事訓練の一環」と主張しているが、アルゼンチンは王位継承順位二位のウィリアム王子の派遣を政治的な狙いがあるとして反発。最新鋭のヘリなどが導入されることから、フェルナンデス大統領は七日、「英国による軍備増強は(周辺の)安全保障にとって重大な危機を引き起こす」と批判した。

 南米の地域経済共同体、南部共同市場(メルコスル)にアルゼンチンとともに加盟するブラジルなど周辺四カ国も同調。フォークランドの旗を掲げる船舶の寄港を禁止する措置をとった。ベネズエラのチャベス大統領は「帝国主義の英国が攻撃を仕掛けたら、アルゼンチンを見捨ててはおかない」と述べ、同国支援の意向を示した。

 フェルナンデス大統領の発言に対し、キャメロン英首相は九日、「国連に行けば、民族自決が国連憲章にとって重要な項目であることが分かるだろう」と指摘。島民は英国民であることを選んでおり「彼らが現在の状態を望む限り、英国は適切な手段で主権保持を守る」と反論した。



 昨年4月にウィリアム英王子と結婚したキャサリン妃が8日、ロンドン市内のナショナル・ポートレート・ギャラリーを訪問した。

 ウィリアム王子が現在、英空軍の任務でアルゼンチン沖の英領フォークランド諸島に派遣されているため、今回キャサリン妃は単独で訪問。同妃が、単独で公の場に姿を現したのは初めて。

 王子の帰国は来月中旬に予定されており、バレンタインデーの14日は、夫婦別々で行動する王子夫妻。キャサリン妃は、イングランド北西部リバプールを訪れ、慈善活動などに参加してバレンタインデーを過ごす。


(2012年2月11日 東京新聞「フォークランド紛争30年 英王子派遣 深まる対立」より)
(2012年02月9日 Reuters「英キャサリン妃が単独で公の場に、王子はフォークランドに派遣」より)


 フォークランド紛争(Falklands Conflict/Crisis)とは、フォークランド諸島(スペイン語名/アルゼンチン名:マルビナス諸島。以下はフォークランド諸島で記載を統一)の領有を巡り、イギリスとアルゼンチン間で3ヶ月にわたって行われた紛争である。スペイン語やポルトガル語では「マルビナス戦争」(Guerra de las Malvinas)と表記されることが多い。

 日本語の教材や辞典では「フォークランド紛争」と表記されることが多いが、世界的には「紛争」よりも「戦争」に該当する呼び名が用いられることが多い。ただし、イギリス陸軍のウェブサイトでは「Falklands Conflict」の語を用いている。

 戦争に至った背景としてさまざまな現象を指摘できるものの、戦争の原因は不明である。そのためある領土の主権問題において、外交のおける最終的解決の手段としての戦争を回避するするシステムは存在しない。

 1989年10月に、アルゼンチンとイギリスは開戦以来の敵対関係の終結を宣言し、翌1990年2月5日、両国は外交関係を正式に回復した。しかし、現在も互いに自国の領有権を主張し続けている。




























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