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昨年11月の「覆面介入」1兆円超、安住財務相「国益守るため」ー再度の覆面介入を警戒

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 政府・日銀が昨年11月1日から4日にかけて、外為市場で円売り介入の実施を公表しない「覆面介入」を、1兆円規模で実施していたことが明らかになった。公表せず介入に踏み切ったのは2004年以来約7年ぶりで、民主党政権下では初めて。

 政府・日銀は10年9月以降、大規模な円売り介入を相次ぎ実施してきたが、円高基調に歯止めがかからなかったため、覆面介入を組み合わせて市場心理に揺さぶりをかける狙いがあったとみられる。


 財務省が7日朝に発表した11年10―12月の外国為替平衡操作の実施状況によると、安住淳財務相が緊急会見で介入を公表した10月31日の8兆0722億円に続き、政府・日銀は11月1日に2826億円、2日に2279億円、3日に2028億円、4日に3062億円のドル買い/円売り介入を行っていたことがわかった。10月31日の介入額は昨年8月の4.5兆円を大きく上回り、1日の介入額としては過去最大を更新した。


 政府・日銀は10年9月以降、他国との協調を含めて4度の大規模介入を実施・公表。その後1年強で合計15兆円超を投じて円高阻止を狙ったが、円高進行には歯止めがかからず、円相場は現在も対ドルで76円台と、昨年10月の大規模介入前につけた史上最高値圏で推移している。安住財務相は7日朝の記者会見で、覆面介入について「投機的な動きがはっきりし、実体経済とかけ離れて投機筋が自己利益を得るために市場を歪めることがあれば、国益を守るために必要ならいかなる措置も取ると言っている。それを行動に移しただけ」だと説明。今後も、投機的な円高が急速に進行すれば為替介入も辞さない姿勢をにじませた。


 7年ぶりの覆面介入が明らかになったことで、市場では「今後ドルが75円台に突入、史上最安値の75.30円に接近あるいはそれを割るような局面になったとき、口先介入が持つ心理的インパクトは微妙に変わる。財務相が市場をけん制したとき、覆面介入に踏み切るとの疑いを否定することはできない」(UBS銀行東京支店の外国為替ストラテジスト、植野大作氏)と、再度の覆面介入を警戒する声が上がっている。

 ただ、財務省が昨年11月に発表した10月28日から11月28日までの介入額が9兆0916億円と巨額だったことで、市場ではすでに、政府・日銀が介入を正式発表した10月31日以降も、断続的に為替介入を行っている可能性を指摘する声も出ていただけに「思ったより(覆面での介入額が)小粒との印象。これで(市場が介入に対して)さらに疑心暗鬼になるかは微妙だ」(みずほ証券FXストラテジスト、鈴木健吾氏)との指摘もあった。

(2012年2月7日 ロイター「昨年11月の「覆面介入」1兆円超、安住財務相「国益守るため」」より)






























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