気象庁は、警報や注意報、警戒情報など、災害ごとに混在していた防災気象情報の表現を「レベル1〜5」に統一することを決めた。豪雨や土砂災害など、大きな被害が出るたびに新たな警告を設けた結果、呼び名や危険度が複雑になったためだ。3年後の運用開始を目指す。
新たな防災気象情報では、「災害発生の可能性」がある場合を最低のレベル1とし、「重大な災害が起き、さらに拡大する」場合を最高のレベル5と設定。
運用開始を3年後としたのは、情報を受け取る市町村や放送局に大幅なシステム改修が必要になるためだ。また、多くの人が注意報・警報に慣れ親しんでいることから、当初は両方の表現を併用しながら、徐々に「レベル3の大雨」といった表現に変える方針だ。
今の注意報・警報は1952年の気象業務法制定でできた。その後、83年の「記録的短時間大雨情報」や2005年の「土砂災害警戒情報」など、様々な警告が新設された。津波や火山噴火の警告は元々、5段階に分かれているという。
複雑化した体系は、気象庁内部でも「あちこち増改築した古い施設のようだ」と揶揄されるほどだった。
静岡大防災総合センターの牛山素行(もとゆき)准教授(災害情報学)は「わかりにくい体系を改善するのは意味があるが、レベル5まで作ることによって低いレベルの警告が軽視される恐れがあるため、注意が必要だ」と指摘する。